第20話

第十六話
25,914
2020/01/14 13:04
莉犬くん
莉犬くん
だっ、大丈夫!?
風呂に駆け込んできたのは莉犬くんだった。
莉犬くん
莉犬くん
あっ…/////
風呂に浸かっている私を見て慌てて顔を覆うも、指の隙間から私見てますよね?
あなた

タオルを巻いてるから大丈夫だ。
入ってきてころんを引き揚げて

莉犬くん
莉犬くん
う、うん
滑らないようにそろそろと気をつけて入ってきた。
ころんは赤い顔してダウンしている。
私の後ろに幽霊でもいたのかな?

ヤバいな、天からのお使いが来ないうちに氷とか当てないとかもしれない。
莉犬くん
莉犬くん
よっ!
ザバァ、と引き揚げる。
その瞬間、だった。

ペローン
莉犬くん
莉犬くん
あなた

…完全に、ころんのタオルがめくれた。
そのものは足で辛うじて見えない。
良かったぁぁぁ…
莉犬くん
莉犬くん
みっ、見てないよね!?
あなた

見てない見てない!見えてない!!

ヤバい、私ものぼせてきた…
あなた

すまんっ、私は出る!!

莉犬くん
莉犬くん
ええっ
あなた

莉犬、任せた!!

タオルがずり落ちないように手で持って走ると、危うく滑りそうになった。
とりあえず着替えて、浴場を覗く。
そこにはもう二人の姿はなかった。

さっきちょっとジェルの声が聞こえた
あたり、瞬間移動でもしたのだろう。
あなた

…帰りたいけど、帰れないよな

誰か呼ぶか?
そうなった時に一番呼びやすいのは…そうか、さとみか。

監視カメラ役の目玉ちゃんに手を振る。
あなた

さとみ~っ、聞こえるー?
迎えに来てくれないか??

目玉は空中で旋回した。
多分オッケーなんだろう。
三分もしないうちにさとみがきた。
さとみ
さとみ
お待たせ~
あなた

全然待ってないぞ

さとみ
さとみ
レディーを待たせるなんて
悪行できません!
そんなことも出来なかったらお前なんで魔王やってんだよ。
っていうかジェルに近い台詞をはくな。
さとみ
さとみ
俺を呼ぶなんて珍しい
あなた

別に…

さとみ
さとみ
風呂でのは災難だったねー
あなた

見てたんならころんに忠告しろよ

まったくもう…と呆れる。
結構ガチビビりしたんだぞ!!
危うく、乙女のハートが傷つけられるところだったぞ!!
いや…その言い方は気持ち悪いか。
さとみ
さとみ
花湯、気にいると思った
あなた

…!!
風呂の中まで見てたのか!?

さとみ
さとみ
…あ
やばいバレた、という顔をしている。
その顔があまりにマヌケで笑ってしまった。
そのせいなのか、少しホッとした顔でさとみもフッと笑った。
あなた

あんまり風呂は覗くなよ?

さとみ
さとみ
ごめんごめん…事故だよ事故
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃、久しぶりに勇者…
へっぽこ勇者
ひーっ、なんかスライムが
いっぱいいる…
でも、武器買いたいからなぁ…
えいっ、えいっと剣でプスプス刺してみる。
ダメージはイマイチで、マイナス1ずつしか減らない。
へっぽこ勇者
だめだぁぁ、勝てない…
勇者は逃げるを選択した…
上手く逃げ切れた!!

プリ小説オーディオドラマ