第24話

二十話
23,137
2020/02/14 13:49
全員
ごちそうさまでした~
あなた

ごちそうさまでした

お皿を片付けようとしたら勝手に浮いた。
ななもり。
ななもり。
片付けもコックがやってくれるよ~。
あなた

そうなのか。
ありがとうな

姿は見えないけど、と心で呟く。
すると、微妙になにかが動く気配がした。
莉犬くん
莉犬くん
珍しいね。
コックさんがお辞儀するって
あなた

お辞儀したの?

莉犬くん
莉犬くん
うん。
なかなか頭下げないのにね
不思議だね~、ところんと顔を見合わせた。
ころんも賛同しているし、本当なのだろう。
ころん
ころん
ちょっと僕~、部屋戻るわ
ななもり。
ななもり。
このあとみんなでやることが
あるから、早くおいでね?
ころん
ころん
は~い
呑気に返事をして去っていった。
ワイワイガヤガヤと話し出す皆。
私はすることもなかったので、食後酒ならぬ食後の紅茶をいただいていた。

すると。
さとみ
さとみ
昨日はごめん…ころん、なんか
俺に悲しそうに笑うんだよ。
テーブルがギシッと軋む。
顔を上げると、テーブルに手をついたさとみがいた。
深刻そうな顔で私の目を見つめる。
その深い紫に近い青い瞳にドキッとする。
さとみ
さとみ
なんか、「なんでもないよ。
目にゴミが入っただけだし」
って言って話してくれない…
あなた

そうか

ころんなりに何か思うところが
あるのだろうか?

頭に疑問を浮かべつつ、話を続行する。
さとみ
さとみ
ころんは基本は明るいから、なにかあったら嫌だしね。
あなた

本当に仲間思いだな、
お前たちは…

思わず感心。
人間は盗賊やらテロリストやらなんやらで、誰を信じたらいいかなんてわからないのに。

いつの間にかみんなが集まってきていた。
しかし、るぅとのみ表情が暗い。



※病み系注意です…
るぅと
るぅと
…なんか僕、嫌な予感が
するんですけど。
ななもり。
ななもり。
え?どういうこと??
るぅと
るぅと
…なんか、ここで命のロウソクが消える気がするんです。
莉犬くん
莉犬くん
ええ!?
それ結構ヤバいじゃん!!
あなた

い、命のロウソク??

聞きなれない単語に、思わず聞き返す。
るぅとの言葉を聞いてみんな焦り出す。
ジェル
ジェル
命のロウソク…それは、寿命。
それは燃え尽きるまで延々と
燃え続けるけど、本人か誰かが
吹き消せば簡単に消えてまう…
ななもり。
ななもり。
それが消えるってことはね
莉犬くん
莉犬くん
…誰かが死ぬ
あなた

嘘だろ…

自分が倒すべき相手ということも忘れ、呆然としていた。
そんなに呆気なく死んでしまうのか。
さとみ
さとみ
ころん!!
マントをビラビラとなびかせ、全力で走っていく。そして全員、何かを悟ったように走り続けた。

私はそれらに遅れながらも必死について
いくことにした。なんでかはわからないし、気まぐれかもしれない。
でも、止めたい衝動に駆られた。
バン!!

大きな音をたててドアを開く。
そこには、天井から下がる首吊り縄を手に、目に涙を浮かべるころんがいた。
ころん
ころん
!!…みんな
るぅと
るぅと
ころちゃん!!
ジェル
ジェル
なにやってるん、アホ!!
二人が駆け寄り、縄を取り上げる。
「あっ」と小さく声を上げたが、すぐ俯いてしまった。私はそれを唖然として見ていた。

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