お皿を片付けようとしたら勝手に浮いた。
姿は見えないけど、と心で呟く。
すると、微妙になにかが動く気配がした。
不思議だね~、ところんと顔を見合わせた。
ころんも賛同しているし、本当なのだろう。
呑気に返事をして去っていった。
ワイワイガヤガヤと話し出す皆。
私はすることもなかったので、食後酒ならぬ食後の紅茶をいただいていた。
すると。
テーブルがギシッと軋む。
顔を上げると、テーブルに手をついたさとみがいた。
深刻そうな顔で私の目を見つめる。
その深い紫に近い青い瞳にドキッとする。
ころんなりに何か思うところが
あるのだろうか?
頭に疑問を浮かべつつ、話を続行する。
思わず感心。
人間は盗賊やらテロリストやらなんやらで、誰を信じたらいいかなんてわからないのに。
いつの間にかみんなが集まってきていた。
しかし、るぅとのみ表情が暗い。
※病み系注意です…
聞きなれない単語に、思わず聞き返す。
るぅとの言葉を聞いてみんな焦り出す。
自分が倒すべき相手ということも忘れ、呆然としていた。
そんなに呆気なく死んでしまうのか。
マントをビラビラとなびかせ、全力で走っていく。そして全員、何かを悟ったように走り続けた。
私はそれらに遅れながらも必死について
いくことにした。なんでかはわからないし、気まぐれかもしれない。
でも、止めたい衝動に駆られた。
バン!!
大きな音をたててドアを開く。
そこには、天井から下がる首吊り縄を手に、目に涙を浮かべるころんがいた。
二人が駆け寄り、縄を取り上げる。
「あっ」と小さく声を上げたが、すぐ俯いてしまった。私はそれを唖然として見ていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。