第2話

プロローグ
36,378
2019/12/29 12:54
伝説の勇者が捕まった。
それは瞬く間に国中に触れ回り、人々を
悲しませた。

城にて…
大臣
王様、勇者あなたの件ですが…
王様
うむ。
話は聞いておる…お、この菓子は美味いのう!
大臣
王様!
真面目にお聞きくださいよぉ
涙目になりながら大臣は訴える。
そう、あなたは大臣の娘なのだ。
国民
そうです!
あなた殿がいなくなったのは大変な事態です。早急に解決して
ください!!
とある国民が叫ぶ。
勇者に助けられた人ばかりと必死に訴える。

すると。

ブーッブーッと超大型テレビが震えた。
そこには顔の整った魔王が映っている。
さとみ
さとみ
やぁやぁ諸君。
吾輩は魔王なり
ま、魔王ですって!?
…あらイケメンね。
へっぽこ勇者
姫よ、お下がりください!
ぽっと顔を染める姫と、その婚約者。
なんだかもういろいろとカオスである。
さとみ
さとみ
君たちの大好きな勇者はこちらが預かった。返してほしくば、迎えに来たまえ!
ジェル
ジェル
待ってるで~?
莉犬くん
莉犬くん
待ってるよぉ~
そう言って中継は途切れた。
王様
む~…勇者はこの国になくてはならん。迎えに行かせるか…
おい、婚約者!
へっぽこ勇者
は、はいっ!?
王様
お前、迎えにいけ!
無事に帰ってきたら国あげる
から!よろしくねぇ~。
大臣
ええっ!?王様!?
へっぽこ勇者
はい!
行ってまいります!!
大臣
えええ!?
…はい、というわけで小さな勇者がうまれ、勇者奪還が始まりましたとさ。

その頃、魔王城…


あなたside
あなた

むぐっ、んんんんん!!

いま私は、布で口を覆われている。
息はできるが、喋ることが出来ない。
周りには、前から敵だと教え込まれてきた
魔王軍幹部。
中心の玉座には魔王が座り、その周りに幹部がいるのだ。
あなた

んむむっんん~!!

ころん
ころん
そんなに喘がないで?
はずしてあげるからさ。
悪魔の一人が近づいてきて、布を取る。
あなた

ぷはっ…あ、喘いでない!!
勇者はあ、喘ぐなどの不埒なことはしない!!

ジェル
ジェル
ホンマに?
喘いでるようにしか聞こえんわ
ヴァンパイアがニヤリと笑って私を見つめた
他の奴らもニヤニヤと笑っている。
るぅと
るぅと
さとみくん、出番ですよ?
そう言ってジャック・オ・ランタンの王子だという少年(いや、私より上か?)が魔王を肘でつついた。
さとみ
さとみ
そうだなぁ。
くあぁ…眠い
思わずその様子に拍子抜けする。
気だるそうだし、戦っていた時と違う。
【回想】
さとみ
さとみ
ほほぅ…?
よくここまでたどり着いたな。
ジェル
ジェル
あまたの敵がいたにも
関わらず、こんなにスムーズに来るとはなぁ…?
あなた

いや、雑魚はいたけど幹部が
いなかったぞ?中ボス的なの。

スライムやお化けなどは沢山いたけれど、
なかなか強い敵に会わなかった。
そのせいか、目の前にいる二体の魔物の妖力に驚くしかなかった。
さとみ
さとみ
それにしても、随分と小さな
お客さんだなぁww
ジェル
ジェル
それな。
抱きしめやすい
あなた

なっ!?

シュン、と音をたてて私の背後にまわる。
一瞬の出来事で、頭も体も追いつかなかったのが敗因だった。

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