第6話

第四話
31,661
2020/02/21 12:10
そして、あっという間に晩餐の時間になったらしい。
カワイイ系狼男が部屋まで来てくれた。
部屋までどうやって戻ったのかって?
またジェルに血を吸われて、送ってもらったよ。二度とアイツには頼まない。
莉犬くん
莉犬くん
ねぇねぇっ
あなた

なんだ?

急に声をかけられ、少し驚く。
魔王軍ってもっとおどろおどろしいイメージがあったのに、全然違う。

でも、狼男が私にかけた言葉で、また血の気がなくなっていった。
莉犬くん
莉犬くん
ジェルに血ィ吸われたでしょ?
あなた

…は?

わかるのか、こいつは。
やっぱりあなどれない、魔王軍。
あなた

なんでわかるんだ?

莉犬くん
莉犬くん
傷跡は消えてても多少の魔力を感じるからね。ジェルの妖気だ
なるほど。
人間や魔物には、妖気というオーラがある。
それを感知すれば、そいつがどこの誰といたのかすぐにわかってしまうのだ。
莉犬くん
莉犬くん
名付けて、「妖気感知」~!
めっちゃ嬉しそうに言う。
面倒だったので、早く行こうと言った。
そういえば、と狼男が切り出す。
莉犬くん
莉犬くん
俺、莉犬!
莉犬くんって呼んでねー。
長い付き合いになると思うから
あなた

長い付き合いになる前に逃げ出してやるから大丈夫だ。

莉犬くん
莉犬くん
そう簡単にいくといいんだけどねーwww
ケラケラと快活に笑う。
なんで迎えに来たのか、と尋ねると、随分と不思議な答えが帰ってきた。
莉犬くん
莉犬くん
さとみくんがね、「あなたの移動の時は誰かついてやれ」って
言ってて!ほら、ジェルがあなたを移動させてたからさ。
それ見て妬いたんだと思うよー
あなた

まぁ、ジェルにはチカラを借りた…いや、貸したかな?まぁ移動して
貰ったが…妬くか?普通。

莉犬くん
莉犬くん
ヤキモチ焼きなんだよ~www
ふむふむ…
魔王は意外とヤキモチ焼き…と。
いや、なんでだよ。
この情報をノートに書き込む必要あるか??
なんで書いたんだよ私。


そんな百面相をしているうちに、食堂とやらに着いたらしい。
るぅと
るぅと
お、待ってましたよあなたさん
あなた

なんでお前はさん付けなんだ?

るぅと
るぅと
癖なんですよ、仕方ない
むぅ、と頬を膨らませる。
えっと、コイツがるぅとだったはずだ。

ノートを見返していると、るぅとが近づいて来た。
るぅと
るぅと
じゃあ、この方がいいですか?


…あなた。←耳元でボソッ
あなた

ひゃうっ/////

あぁもう、この感覚苦手!
またゾワゾワっと鳥肌がたち、痺れるようになる。
すると、興味深そうに莉犬くんが寄ってきた
莉犬くん
莉犬くん
俺もやる~!!
…あなたっ(ボソッ)
あなた

ぁっ…/////

莉犬くん
莉犬くん
あははっwww
るぅと
るぅと
反応いいですね~w
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五分後…
ななもり。
ななもり。
あれ、なにしてんの二人?
莉犬くん
莉犬くん
るぅと
るぅと
助けの神来たァァァ!!
あなた

な、ななもりっ…!!
助けてくれぇ…/////

目が潤んであまり見えないが、特徴的な紫髪と声でわかった。

早く、地獄から逃れたい!!
その一心で、ななもりに助けを求める。
ななもり。
ななもり。
っ…/////
煽ってるのかな??
しかし、よくわからない言葉とともに
あなた攻めが再度始まった。

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