そして、あっという間に晩餐の時間になったらしい。
カワイイ系狼男が部屋まで来てくれた。
部屋までどうやって戻ったのかって?
またジェルに血を吸われて、送ってもらったよ。二度とアイツには頼まない。
急に声をかけられ、少し驚く。
魔王軍ってもっとおどろおどろしいイメージがあったのに、全然違う。
でも、狼男が私にかけた言葉で、また血の気がなくなっていった。
わかるのか、こいつは。
やっぱりあなどれない、魔王軍。
なるほど。
人間や魔物には、妖気というオーラがある。
それを感知すれば、そいつがどこの誰といたのかすぐにわかってしまうのだ。
めっちゃ嬉しそうに言う。
面倒だったので、早く行こうと言った。
そういえば、と狼男が切り出す。
ケラケラと快活に笑う。
なんで迎えに来たのか、と尋ねると、随分と不思議な答えが帰ってきた。
ふむふむ…
魔王は意外とヤキモチ焼き…と。
いや、なんでだよ。
この情報をノートに書き込む必要あるか??
なんで書いたんだよ私。
そんな百面相をしているうちに、食堂とやらに着いたらしい。
むぅ、と頬を膨らませる。
えっと、コイツがるぅとだったはずだ。
ノートを見返していると、るぅとが近づいて来た。
あぁもう、この感覚苦手!
またゾワゾワっと鳥肌がたち、痺れるようになる。
すると、興味深そうに莉犬くんが寄ってきた
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五分後…
助けの神来たァァァ!!
目が潤んであまり見えないが、特徴的な紫髪と声でわかった。
早く、地獄から逃れたい!!
その一心で、ななもりに助けを求める。
しかし、よくわからない言葉とともに
あなた攻めが再度始まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!