「かおりん?かおりん?」
私を呼ぶ声がする。でもいまはそんなこと頭に入ってこない。草山先輩のことで頭がいっぱいになって...あのひまわりみたいな笑顔、胸がきゅうとする。この感じどこかで...
「かおり?」
また声が聞こえる私はハッとする。目の前に心配した顔の大輝と千夏がいた。
「えっ、あ、どうしたの?」
「どうしたの?じゃねぇぞ、お前顔真っ赤だぞ」
私は手を当てる、あつい。でも体調は悪くない。
「熱でもある?保健室行く?」
千夏に聞かれるが私は首をふる。
「いや、別にだるいってわけじゃ...ただ先輩のことが頭から離れなくて...」
千夏はそれを聞いて目を輝かせる。
「それって恋!?」
恋...?それと同時にあいつの事を思い出す。私は首をふる。
「んなわけないじゃん!やっぱり私保健室いく!」
そう言って走り出す。
「おい、まてよ、香織」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。