なんか俺…
誰かの声を毎日聞きながら眠っている気がする
それも聞き慣れた声
俺の世界で1番好きな声
颯馬のお母さん
「颯馬…泣」
颯馬のお父さん
「あなたちゃん毎日来てくれて嬉しいな…」
目を開けてあげたいけど、あかないんだよ…
ごめん…
毎日毎日俺の目はあかないのに、泣くのを我慢して震える声で俺に語りかけている君の声は、尊くなっていく
でも…なんかいつもと違うんだ
今日は何だか開けてあげそうな気がする
今日の声はなんか俺のすぐ隣にいる
私も…あなたちゃんの泣くのを我慢する声を聞くのは限界だよ…
誰かが俺の手を握ってくれてる
それに応えて、見ようかな…
ギュッ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!