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第6話

六話
着替え終わると、7:00ごろになっていた。
使用人の人を呼び、何をすればいいか聞いてみれば、
「7:30まで自由でいいですよ」
とのことなので、制服にシワを作らないように読書をして過ごそうと、本棚を見ようとするが、ピタッ、と止まる。
もともと、私は音楽に向いていなかった。
音楽よりも本の方が好きで、小学生まで将来の夢は小説家だった。
だが中学生にもなると親の仕事内容もよくわかり、家柄で判断されるようになった。
だから音楽の成績はずっとトップでないといけなくて、絶対に吹奏楽部に入っていなければいけなかった。
トップでなければ「音楽家の家系なのに」とバカにされる。
家柄で何も自慢できない。ただ拘束されているだけ。
だから音楽家の家系が集まる高校に行ったというのに、下手だと暴言を吐かれた。
だが、次の学校は校則で暴言を吐けば即退学らしいので、そこは安心した。
そんなことを考えていれば本を読む気になれなかったので、屋敷を散策することにした。
1階はなぜか怖かったので、2階を散策する。
食堂を除けば、どこも普通の部屋のようだ。
触り心地の良い壁を触っていると、何か切れ目のようなものが四角状にあることに気づいた。
少し押してみる。そうすれば忍者屋敷のように回転する仕組みになっているようだ。
少し壁と擦れる音を立てながら、奥に入る。
そうすると、1番に目に入ってきたのは、大量の分厚い本。入り口には埃が溜まっていたのに、こちらには溜まっているどころか、1つも見当たらない。
_東@あずま_ _美琴@みこと_
あずま 美琴みこと
他に入口がある……?
他にあるとすれば、お父さんの部屋に繋がっているだろう。
ここに引っ越す前、つまり私が一度出て行く前の家の時は、お父さんがずっと掃除していた。
その掃除の仕方と、全く同じだった。掃除後の本の置き方も、全く同じ。
それ以上に驚いたことといえば、知らない本しか置かれていないこと。
お父さんの部屋や書斎に入ることもあったので、家にあった本は全て把握していたはずだが。
こんなにも大量の本を隠していたと考えるより、こちらに来てから手に入れたと考える方が自然だろう。
ふと、部屋に掛けてある時計を見る。
すると、8:28ではないか。
急いで壁を押し、部屋に走って帰る。
部屋に入って一息ついた瞬間、服にシワがついてしまっていることに気づく。
まぁ、それくらいで気にすることではない。
息を整えていると、コンコン、というノックの音が響いた。