第139話
139*期待
otoha side
あなたの活動名は、目立ちたがらへんけど、
いろんな才能を持ってる人やと、俺は思ってる。
たぶん俺だけじゃない。
他のメンバーも、
それはいろんなところで感じてるはず。
俺が密かに抱いていた夢を
あなたの活動名に初めて打ち明けた。
喜ぶことはないって分かってた。
案の定、少し顔を歪ませたあなたの活動名。
ニコッと笑ってから、
缶に入ったお酒を飲んだ。
あなたの活動名はその場を切り抜けるのが上手い。
やるかやらへんかはあなたの活動名が決めること。
でも、周りからどれだけチャンスをもらっても即答で遠慮することに、もどかしさを感じてた。
そう言うとあなたの活動名は黙り込んでしまった。
それだけあなたの活動名にとっての過去は、
残酷なことやということ。
あなたの活動名の歌声は、優しくて儚い。
あなたの活動名そのものを表したような、そんな歌声。
ファーストテイクであげた動画にも
そんなコメントがいくつも届いていた。
1つ歳上とは思えない
かわいいあなたの活動名の寝顔を見ながら、
これこらどうすれば彼女が輝けるのか
何度も何度も考えていた。