ー拝啓、お兄さん様へ。
お兄ちゃん、夢の中でもお元気ですか?
夏はめちゃくちゃ元気です!
お兄ちゃんのあの事故から約七年が過ぎました。
夏、やっとお兄ちゃんと同い歳になれたよ!
みんなはどんどん歳が大きくなってるのに、お兄ちゃんはまだ高一のまま…
でも大丈夫!夏もお兄ちゃんと同じ歳だもん!
その為に夏はお兄ちゃんに追いつこうとしてきたんだからね。
一緒に同じ道を歩もうよ。
お兄ちゃんが起きたらまた『夏』って呼んでね!
怒った声でも、喜んでいる声でもなんでもいい。
お兄ちゃんの口から夏を呼んでくれたら何でもいいから。
あ、そうそう!
夏ね、お兄ちゃんが寝始めちゃってからバレー始めたんだよ!
最初はお兄ちゃんのためだけだったけど、今は夏もハマってるんだ!
夏すっごく強くなったからね?
起きたらまたバレーしようよ。
それでまたバレー教えて?
…いや、もしかしたら夏の方が上手くなってるかもね。(笑)
それでも、お兄ちゃんに教えてもらいたいから。
あ、それじゃあお兄ちゃんが起きるまで、
夏のバレーでの思い出をお話するね。
まずは…お兄ちゃんが眠り始めた時の事をお話しようか───。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。