少し和やかになっていた会話だったのに、、、そう、あの一言さえなければ、
完全に否定できない自分が悔しかった。
わたしはまだそらの事が、、、なんてね、考えない、考えない。
そのときの、おにぃは何かを察したように真剣な顔をしていた。
そして、私はその場から離れ、コンビニへ行くと言い訳をし、外へ出た。
近くの公園でなにも考えずに足をつけたままひたすらブランコを揺らした。何故だか、口角が下がり気分まで乗っていなかった。
後ろから聞こえた優しい声に私は反射的に笑顔になっていた。
顔を晒した先には、何かがひゅっと引っ込んでいった。
昔から怖いのが苦手な私は何かを見るたび、お化けと思い込んでしまい、過去にも色々な事が……まぁさておき、
こうして笑い合いながら時間が過ぎていった。
でも、あのときに見たのはなんだったのだろう。。
急に真剣な顔になったおにぃは嘘をついているようには見えなかった。
一瞬にして体の力が全て抜けた。立ち上がっていた私の体は砂まみれになりながら地べたに座りこんだ。頭がついていかず、。。、
でも、ふと思うとこの間のおにぃの行動はそういう事だったのか、と話は繋がった。
本当の兄妹じゃない私たちが深い夜中の空の中へ飲み込まれていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。