美味しそうな匂いがして来た。
もう少しで着きそうだな。
5分くらいあなたと歩いてたらすぐ
屋台とか見えて来た
異常なくらいにドキドキしている俺がいる。
実はあなたには内緒にしてたんだけど
七時半から打ち上げ花火が上がる
俺の狙いはそれ。
花火が上がった時、あなたに告白する予定。
俺はたくさんの屋台を見回した。
わたあめの屋台。
あなた好きだったよな。
ってあれ⁇あなたがいない
少し目を離した隙に人混みに流されていくあなた
急いで見つけ出した
俺はあなたの手を握った。
あなたの方を向いてみたら下を向いたままだった。
けど耳は真っ赤。多分照れてんだな笑かわい。
とか思ってたらゆっくりと握り返してくるあなた
俺はびっくりした。
やばい。あなたと手繋いでる
あの頃のあたりまえを今は幸せと感じられる。
俺たちはそのまま無言で歩き続けた。
けどその沈黙の時間も心地いい程に
俺たちは幸せを感じていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。