第3話

素直じゃない、
1,388
2019/10/21 14:44
学校生活にも慣れてきた、数ヶ月後。
私達は、連絡先を交換したからか、
急激に仲良くなった。
れん
れん
ねぇたいが今日放課後の暇〜?
たいが
たいが
今日〜?
最近2人はこの会話が日課になっている。
れん
れん
おん。
たいが
たいが
多分暇〜。
れん
れん
ゲームしよ!
たいが
たいが
言うと思った 笑
テンポよく2人の会話が進んでいく様子。
あなた

私も、ゲーム好きだよ。

全員
え!?
その発言にみんなは驚いた顔をする。
あなた

え?何何?

れん
れん
えっと…
たいが
たいが
意外だなと、
いぶ
いぶ
思った 笑
あなた

なにそれ 笑

すると、
れんが、なにか思いついたような顔をして
れん
れん
じゃあ、あなたもどう?
なんて聞いてきた。
たいが
たいが
え"っ?!
あなた

一緒に?!

れん
れん
いいじゃん別に、
たいがの家だけど 笑
あなた

いいの?

私は、たいがに不安を抱きながら聞いた。
たいが
たいが
まぁ…いいけど…
れん
れん
じゃあ、いぶも!
いぶ
いぶ
わ、私も?!
いぶは、相当驚いてる様子を見せた。
たいが
たいが
い、いいよ。
少し恥ずかしそうに、たいがが言った。
れん
れん
やったぁ〜
***
放課後…
私といぶは、一旦帰宅してから合流して、一緒にたいがの家に行くことにした。
いぶ
いぶ
もう、れんはいるみたいだよ?
2人で、アイスをかじりながらたいがの家までの道のりを歩く。
あなた

えー、はや。ってなんで分かるの?

いぶ
いぶ
家出る前に、たいがから電話があってさ。
あなた

なるほど〜

いぶ
いぶ
最近なんか、連絡多いんだ〜♪
少し嬉しそうに頬を赤く染めるいぶ。
あなた

なんか嬉しそう。
好きなの?たいがのこと。

いぶ
いぶ
///!?
いぶは急に足を止めて、顔を真っ赤にした。
冗談で言ったつもりが、ドンピシャだったらしい。
あなた

え、なんかごめん 笑

いぶ
いぶ
あなた、勘良すぎ〜///
顔を隠したいぶは、その場にうずくまった。
あなた

ごめんごめん 笑

私は、いぶの背中をさすった。
するといぶは顔を上げ、少し涙目で、
いぶ
いぶ
応援してくれる…?
と弱々しい声で訪ねてきた。
あなた

うんっ、もちろん!

いぶ
いぶ
良かったぁ〜
いぶは、クシャッと可愛く笑った。
***
あなた

お邪魔しま〜す。

いぶ
いぶ
お、お邪魔します…
れん
れん
お、来た来た。
玄関前の廊下から、ジュースを持ったれんが歩いてきた。
私といぶは、れんに付いて行く。
いぶは、緊張しているのか動きが硬い。
無理もない、好きな人の家に行くんだから。
たいが
たいが
お、来たか。
ある部屋に入ると、座っているたいががゲームコントローラーを持ってこっちを見ていた。
れん
れん
あ、死んでんじゃん 笑
れんはテレビ画面を見て、たいがに顎でそれを指す。
よそ見よしていたせいか、画面には"GAME OVER"の文字が。
たいが
たいが
おぉ〜い〜、マジかよ〜
たいがは、力尽きたように倒れ込んだ。
れん
れん
次俺にやらして〜
たいが
たいが
ん。
たいがは、乱雑にれんにコントローラーを渡した。
あなた

お、れん上手いじゃん。

れん
れん
だろ?笑
れん
れん
あ、死んだ。笑
れんの言う通り、画面にはさっきと同じ文字があった。
たいが
たいが
調子乗ってるからだよ。
いぶ
いぶ
笑笑
あなた

次、私やるー

れん
れん
はい、ど〜ぞ
れんからコントローラーがまわされる。
あなた

ん!?この敵強すぎ。

れん
れん
だろ〜?
あなた

おらっ!おらっ!

私の声に合わせて、指が動くと共に画面のプレイヤーが敵にダメージを与える。
たいが
たいが
体力ヤバいよ。
あなた

ホントだ…でも、突っちゃう!

私は、体力が少ないのに気にせず、攻撃し続けた。
いぶ
いぶ
あぁ〜、やられちゃう!!!
ギリギリ視界に入るいぶが、目を隠してる。
あなた

あ。

全員
あ。
たいが
たいが
え、マジかよ…?!
れん
れん
クリアしたぁ〜!!!?
全員
いえ〜い!!!!
私はコントローラーを置き、みんなとハイタッチをした。
いぶ
いぶ
あなた、すご〜!!!
たいが
たいが
やば…。唖然なんだけど。
れん
れん
やるねぇ〜
あなた

自分でもびっくりだわ 笑

全員
笑笑
そんなこんなで時間はすぎ…
いぶ
いぶ
あー!?ヤバい!!
もう帰らないと!
窓を見るも、もう外は真っ暗だった。
あなた

じゃあ私も…

れん
れん
んじゃあ、俺も!!!
たいが
たいが
えっ、じゃあ俺みんなのことと送ってくよ…
大きなあくびをしたあとにそう言うたいが。
れん
れん
えっ、いいよ。
俺とあなたは方向一緒だからさ。
たいが
たいが
うん…。え?
れん
れん
あぁあ!だから!
たいがは、いぶを送ってってやれってこと。
何故か、私にむかって小さくウィンクしたれん。
もしかして、れんもいぶの事情…
知ってんの?!
あなた

うんうん、そうしよ〜

いぶ
いぶ
///
いぶは、下を向いて顔を手で隠した。
たいが
たいが
わ、分かった…
いぶ
いぶ
!?
れん
れん
じゃ、俺らはお先にバイバ〜イ
あなた

ばいばーい

私は、はらはらと手を振るれんに付いて行く。
***
帰り道。
言う通り、れんと私は一緒に横で歩いた。
電柱に付いたライトがピカピカと点滅する。
あなた

ていうかさ、

れん
れん
ん?
あなた

れんは、知ってたの?
いぶのこと…?

れん
れん
いぶのこと?
れんは、首を傾げる。
あなた

うん。たいがと一緒に帰らすように、仕組んでたから。

れん
れん
?
まぁ、いぶのことではないけど
あなた

ないけど?

れん
れん
たいがが…
と、言いかけた時に、れんが口を自分の手でおさえた。
あなた

ん〜?怪しっ。
たいががどうしたの?

私は、れんの前に立ちはだかり、れんに近づいて身を乗り出す。
れん
れん
これ、言っていいのか分からないけど。たいがが、いぶのこと気になるって言うからさ。こう…少しでもくっつけばいいなって思って…
顔をそらしながら、そう話すれん。
あなた

えっ?!

そういえば最近、仲良かったし…
いぶも、連絡頻繁って言ってたし…
たいがのこと、好きだって言ってたし…
れん
れん
もしかして…いぶも?!
れんに、私の肩を両手でがっしり掴まれた。
あなた

そう!

れん
れん
じゃあ2人は…
全員
両思い!?!?
あなた

きゃあーーーーっ!

私は感激のあまり、れんが男の子ということを忘れて、れんに抱きついた。
れん
れん
うわぁっ。
その衝撃に備えてなかったれんは、後ろに倒れて…
道に、れんが尻もちをしたその上に道ずれにされた(した)私が、乗っかってしまった。
あなた

れ、れん!ごめん…!!!大丈夫…?

私は、痛そうな顔をするれんに必死に謝った。
れん
れん
だ、大丈夫…。
あなた、はしゃぎすぎ…笑
大丈夫と答える代わりに、れんは眩しい笑顔を送ってくれた。
あなた

ごめん…

私は、申し訳なさで心が埋まり自然と俯いた。
顔を上げると、
れん
れん
///
赤面したれんが。
れん
れん
あなたって…気まぐれだね…
あなた

へ?

れん
れん
なんか、
猫みたいで目が離せない。
微笑んだれんの手が、私の頭の上に置かれる。
あなた

ば、バカにしないでよね!

私は、赤くなった顔を隠すために、れんから視線をそらした。
れん
れん
してないよ 笑
れんがそう言うと、ふわっと体が浮いた。
あなた

!?

れんが、私を持ち上げて、立ち上がった。
れん
れん
よしっ、怪我ない?
あなた

だ、大丈夫…///

れんのこういう優しいとこ、嫌いじゃない。
れん
れん
明日になったら、たいが&いぶカップル誕生かもね。
少し寂しそうな顔をしながら、空を見てそういうれん。
あなた

うん…

私は何故か、その横顔に見とれてしまった。
その視線に気づいたのか、れんがこっちを向いた。
れん
れん
なぁに見てんだよ 笑
あなた

べ、別に…?

れん
れん
素直じゃないな。
あなた

悪かったね〜だ

れん
れん
はいはい 笑笑

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