第25話

指輪、
776
2019/03/28 11:09
左手薬指に光る何か。
目に止まった。
AKIRA.
AKIRA.
指輪…
紺
その「婚約指輪」…気に入ってくれた?
「婚約指輪」…?
紺
結婚指輪…今度探しに行こう?
あと〜式はもう少し時間を空けようね…
まだ報告もしてないしね。AKIRAとして。はぁ一ノ瀬イチノセ 伊吹になるのかぁ。楽しみ。
AKIRA.
AKIRA.
う、うん。
なんだ、なんだ、なんだ、なんだ?
この男はいぶの婚約者…!?
「そうだよ…あなた…」
AKIRA.
AKIRA.
!?
耳元で誰かに囁かれたような気がして、身体を震わせた。
紺
どうしたの?
AKIRA.
AKIRA.
今…喋った…?
紺
報告してないしね…って。
AKIRA.
AKIRA.
そのあと!
紺
喋ってない…
「聞こえるんでしょ…あなた?」
「私だよ、いぶ…だよ」
懐かしい声が私の心の中でそう呟く。
紺
あ、そうだ。
式…プライベートの方がいいよね…?
紺
親族と…親しい友達だけ…で。
「うんって言って…?あなた?」
AKIRA.
AKIRA.
う…うん。
紺
だよね…誰に招待状渡すか決めた?
その質問に私は答えを出すことができなかった。
すると、自分の意思なく口が勝手開いた。
AKIRA.
AKIRA.
たいがとれんと…あとあなた…
紺
だからあなたさんは…
AKIRA.
AKIRA.
私はその3人に出せれば十分。
紺
あなたさんは…
AKIRA.
AKIRA.
言われなくても分かってるよ!
AKIRA.
AKIRA.
でも…でも出さないと気が済まない…
私が言っている訳では無い…
勝手に…喋ってる。
紺
分かったよ…出そう。
AKIRA.
AKIRA.
うんっ
すると、何か変わったような感じがした。
「あなた…?聞こえるでしょ?」
「私ね…あなたがいなくなってから、本当に。」
「本当に苦しかったの…辛かったよ…」
「最初はずっと、あなたがまだ生きているかのように生活していた。」
「あなたがさっき見ていたスマホの中の写真だって、あなたが入れる位の余白を取って撮った写真なの。」
「あなたの誕生日も毎年メッセージを送ったし。」
「どんな時も、現実逃避してた。」
「それから私は上京するためにこっちの大学入って、街中でスカウトされて今はこういう仕事してる。」
「紺は、こっちで会った大学の同じサークルの後輩で、現実逃避している私を支えてくれた。」
「紺が大学卒業したら、結婚するの…」
「私…結婚式はあなたを絶対呼ぶって決めてたんだよ?」
「あなた…寂しいよ…」
「何年経っても変われないの…私…」
「あなたともっと喋りたかった。」
「あなたともっと遊びたかった。」
「あなたの結婚式も行きたかった。」
「大人になったあなたと、お酒飲んで話したかった。」
「ねぇ…なんで死んじゃったの…?」
「私を置いていかないでよ…」
「嫌だよ…」
すすり泣きするいぶの声。
私だって…死にたくないよ。
死にたくて死んだんじゃないよ。
死にたいって思った時もあったけど。
今は_
すると突然目の前が真っ暗になった。
***
久しぶりです!作者です!
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ポッキーさんも出てます!!
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