舐められた手。
熱い顔。
止まらない高鳴り。
もう分かんない。
分かんないや。
分かんないよ。
突然優しくしたり。
と思ったら、急に冷たいし。
たいがの気分で、私の心も変わってく。
私は、走ってる足を止めた。
自分の手を見つめる。
塾があるなんて嘘。
あんな所にいたら、高鳴りが。
私の心臓がどうにかなりそうで。
本当はもう少し、たいがといたかった。
でも。
たいがには、いぶが。
いぶがいる。
もしかしたら、私。
たいがのこと、
好きになっちゃったかもしれない。
***
鼓膜が破れるかと思ったほどの声がスマホから聞こえた。
私は一言一言
大切にゆっくりと話していった。
"プープー"
通話が終了した音だけが、悲しく響く。
とりあえず、行かなきゃ。
そんな気がした。
気づいたら、家を飛び出していた。
***
公園に入るとブランコに座る見慣れた背中が見えた。
私は、視線を下に落とし駆け足で急ぐ。
少し息切れしてるのは、やはり運動不足のせいだろうか。
そう言ってニコッと微笑むれん。
私はれんの隣のブランコに腰を落とす。
こうやって久しぶりに座ると漕ぎたくなる。
私はゆらゆらと足を上下に動かして、振れ幅を大きくしていく。
そう言うとれんは、ブランコから降りブランコの柵のギリギリの所まで、来て私の目の前に来た。
結構高くまで漕げた。
空に手が届きそう。
私が大きく漕ぎながら空に片手を伸ばすと。
身体が嘘みたいに軽く宙に飛んで、一瞬スローモーションになった気がした。
のも束の間。
落ちると思って閉じた目を開けると、
なんてニコッと向日葵のような笑顔を向けた。
れんが、私を抱きしめるようにキャッチしてくれたと把握するのに少し時間がかかった。
こうしてまじまじとれんの顔を見ると、
少し茶色がかった綺麗な髪。
モカ色の瞳。
綺麗な白い肌。
艶のある唇。
ドキドキしちゃう。
意識しちゃうよ。
そう言ったれんは、私を高く持ち上げた。
そう言いつつも手を離さない。
「こうしたら元気でる?」
とでも言うように首を傾げるれん。
そう指示するとゆっくりと下におろされる私。
"ぎゅっ"
おろされた瞬間、れんに包まれた。
小さく見えていた身体は、思ったよりも大きく私の身体をすっぽり包んでいる。
れんに聞こえてるか分からないくらい小さい声でそう答えた。
でもこれが精一杯のボリュームだった。
れんの声が、
鼓動が、
私にドクドク伝わってくる。
優しくこだまする、れんの声。
耳にかかる息がくすぐったくて身を竦める。
するとれんは、優しく私を離した。
そう言って、駆け足で公園を出ていくれんの後ろ姿を見えなくなるまで、無心で見つめていた。
赤く染まったれんの顔が頭から離れない。
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作者>>みんなみて!!
私のインフォメーションだよ!!
ねぇねぇ!!インフォメーション!!
…作ったよ…(´・ω・`)
少しでもいいから覗いて欲しいです、、
注意:この小説投稿頻度🐢でごめんね(*_ _)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。