第26話

怪獣には警戒心、
721
2019/04/06 04:58
生暖かい手。
あなた

ねぇ、あんた誰よ。

私は私の目を塞ぐ奴に声をかけた。
??
俺〜?ん〜秘密!
あなた

男か…

??
それ以外は、教えないよ〜♪
あなた

…チッ

??
そんな警戒しなくても〜
あなた

じゃあ手を離して。
目はつむってあげているから。

??
ん〜、分かったよぉ。
俺、女の子には優しいんだ〜
手が離されそうになった瞬間。
病院のベッドに身体を起こした状態のまま、私は男の右手首を掴み、真下に振り下ろした。
授業で習った柔道がここで役立つとは…
振り下ろしたものの、するはずの鈍い音はしない。
??
危ない真似はやめてよ〜
乱暴だなぁ、もう。あなたちゃんは。
私はゆっくり目を開けた。
知らない恐竜男。何故か浮いている。思っていたより美形。
??
って名前あなたちゃんで合ってるの?
読み方間違えてない?
男は、私の後ろの名前が書いてあるプレートを指さしそう言った。
あなた

…ねぇ…誰?

??
どうしようかな〜でもまた投げ飛ばされるの嫌だから。
??
みや
みや
「みや」って呼んで?もしくは〜
「ゆう」ね!
みやは、ガオーとでも言うようにポーズをとった。
あなた

みや…誰?

みや
みや
詳しくは言えない。
急に真面目なトーンでそう言うみや。
押せばいけそう。
私はみやを睨んだ。威嚇として。
みや
みや
分かった分かった分かった分かった!
分かったって!
みや
みや
数年後にぽきさんと運命的な出会いをする、強運男♪
みやはニコッと笑い可愛いポーズをとる。
あなた

はぁ?

みや
みや
もしかしてぽきさん知らないとか言わないよねぇ…ポッキーだよPockySweets!
知ってるっつーの…
あなた

たいが…か…

あなた

ねぇなんで私、未来のいぶの中にいたの?
みやなら分かるでしょ?ねぇ。

みや
みや
詳しくは言えない。
でも俺から言えることは…
息を呑む。
みや
みや
あなたちゃんは今「生と死の狭間」にいるってこと。
みや
みや
そして、あなたちゃんが行った世界。
これは「もしもあなたちゃんが死んだら」っていう仮の未来。
みや
みや
このままあなたちゃんが死んだら、みんなの未来はどうなるのか。
みや
みや
自分の目で見て、感じてね。
みや
みや
そして、死にたいと思ってたあなたちゃん。が、生きるか、死ぬか。自分で決めるんだ。
みや
みや
あなたちゃんの選択次第で〜友達の未来人生も変わる!
みや
みや
かも?
みやはそう言い、ウィンクをした。
みや
みや
ほら〜目を閉じて?
あなた

嫌だ。どうせ私は死ぬのよ!
もう死ぬのなんか怖くないんだから!

みや
みや
嘘つき。
みやはニヤッと笑い、空に浮いたまま私の元にやってきてそっと目を塞いだ。
***
??
まこ…しまこ…?志摩子シマコ…?
志摩子
志摩子
…?
??
何ボーッとしてんだよ。眠いのか?
ここは…どこ…?
ドラマでしか見たことないけど…キャバクラみたいな…ところのソファに知らない男と座っている。
私は周りを見渡した…人は…いない。
つまり2人っきり。
この知らない男と。

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