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第10話

☑︎9
:目黒:















「京本くん」












少し心に引っかかっていた彼の名前を呟くと、カタカタと規則的に動いていた指がぴたっと止まった。



俺がどんなにジャニーズの話をしてもふーんとか聞き流すだけなのに、



何故か今回ばかりはなに?と掘り下げてくる。











「さっき廊下で会ったんだけどさ、」



『うん』



「...ていうか、京本くんの話になると食い気味だね」



『ば、そんなんじゃないしっ』












蓮も早く仕事行きな、



誤魔化すように言う彼女。



ふーん、











「幼なじみなのに、教えてくれないんだ?」



『は、はぁ?』



「京本くんとなんかあったでしょ」



『え?』



「実はまだ京本くんの事好き、とか」



『ち、ちがっ』



「それか会って好きになっちゃったとか?」












俺は昔から人の表情から感情を読み取る事が得意だった。



何年も一緒に居る幼なじみならすぐに分かる。



こいつ、



絶対京本くんとなんかあった。



多分、俺が来る数分前に。










「んで、何があったのさ」



『なんもないってばぁ、蓮もお仕事!』



「ええ、」



『ほらほらっ、お仕事頑張ってね!!!』












俺より小柄のあなたに背中を押されて、半ば強引に部屋を出る。



ガラス張りになっている会議室をそっと覗くと、珍しく頬を紅潮させているあなたが見えた。












「なんで、」











ぽつりと呟いてみたけどそれは誰にも拾われることなく、



ただ立ち尽くしているしかなかった。