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第17話

林間合宿 6
「~~~ってことになったから宜しく..楓...?」

無言で啓介を睨み続ける楓。

啓介はというと、そんな楓を見て何度も溜め息を漏らす。

どうしてこんな雰囲気になってしまったのか。


それは遡ること一時間前。


「...お前。それ本気で言ってるのか、?」

「え、うん...?」

酷く困った顔をした啓介。

どうしてそんな困った顔をするのだろう。

これが啓介の一番求めてるものじゃないのかな??

頭の中でハテナマークがぐるぐる回っている。

「別にお前が良いならいいけど、俺はそれで止まるつもりはないからな?」

「へっ?ど、どういうこと...???」

「そのままの意味だ。期間限定なんて、そんな関係で終わらせない。俺の気持ちはそんな単純じゃ無いってことだけは分かってくれ。」

啓介の目...本気だ。

俺を見つめる啓介の、真っ直ぐで透き通るような目から俺も目を離せず、その圧にも押され思わず俺は頷いてしまった。

すると啓介の顔がフッと綻んで、

「じゃああと3日。宜しくな?空利。」

「よ、よろしく!!」

こうして俺と啓介の、お試し恋愛が始まったのだった。

「あ、一応楓には話しておこう。いきなり俺達が手繋ぎ始めたりとかしたら驚くだろうからな。」

「う、うん。...ていうか、手繋いだりするの??」

「あぁ。だって俺達は恋人同士なんだろ?ほら、手出してみて。」

言われた通り、何も考えずに手を出すと...

「っ!!けけけ啓介っっ??!!」

「ん?なんだよ。繋いだことは何度もあるじゃん。」

確かに俺が不安なとき、たまに手を握ってくれることはある。

で、でもこれは...

「っ恥ずかしい...」

顔が真っ赤になってるのが自分でも分かる。

だって今俺の右手は、啓介の左手に指までしっかり絡まれているからだ。

これがスキンシップというやつなのか...。

そんな俺とは裏腹に、啓介は余裕そうな顔で俺を見てフッと鼻で笑っている。

どこまでも完璧な奴めーっ!と啓介を心の中で恨んだのは言うまでもない。


_啓介side__

おいおいおいおい、俺これで良いのか??

お試しでも付き合うという形になってしまった俺達。

まぁ手を繋げたのは自分的に得したけど。

今も上目遣いプラス涙目で軽く睨んで来る空利。

可愛...じゃなくて。

このこと、楓に言えばきっと怒るだろうな。

--(啓介sideのままです。)

「はぁ??意味わかんねぇ。」

ここは食堂。

夕食を食べるために生徒達が集まる場所。

周りはザワザワしているのに、このテーブルだけ異様な空気を放っているため、誰も近づこうとしない。

そしてそのテーブルに座るのは空利と楓と俺のみ。まだ五人分の椅子はあるのに。

さっきから俺の隣で楓に説明する空利。

何回目だろうか...、
まぁこうなることは何となく予想してたけど。

俺はあえて何も言わなかった。

何故かって?

今になって"お試し"だなんて、何て馬鹿なことを始めたんだろうと自分に飽きれ始めたから。

隣がようやく静かになったと思ったら、楓はやっと理解したようで、その代わり俺をすごい形相で睨むようになった。

それを見て、何度目か分からない溜め息をつく。


(空利sideに戻ります。)

この雰囲気はキツいってっ。

二人とも無言だと、その中で一人だけ喋ることは流石にできない。

誰か何か喋ってーー!と心の中で祈っていたら...

「じゃあ空利は啓介が好きなの?」

届いたー!!俺の願い......って

「えっ」

「試しでも付き合うんでしょ?やっぱ俺より啓介が良いんだ。」

さっきまで啓介の方を睨んでいた楓が、今度は俺の方を向いて喋り出した。

でもどこか素っ気なく、何故か拗ねている楓に俺は更に焦った。

「か、楓...?俺は楓も好きだよ??」

「そうじゃなくて。啓介がどんだけお前が好きなのか分かったんだろ?俺も、啓介に負けないくらいお前が好きだ。もちろん、恋愛感情として。」

「え...」

「お前のその鈍感さを今更恨む訳じゃ無いけど、俺だってずっと我慢してたんだ。
...俺とも、お試しだったら付き合えるのか?」

楓とも、お試しで?

自分的に、何も問題は無いと思った。

でも啓介は?

チラッと啓介を見ると、ちょうど啓介もこっちを見ていたためバチっと目が合った。

しかし、なぜか恥ずかしくなって急いで目を逸らしてしまう。

そんな俺にクスッと笑ったと思ったら、

「俺は別に構わない。そもそも楓に負けるとは思ってないから。
...ずっと三人一緒にいたんだ。そろそろこの恋敵ライバル関係にケリをつけようぜ。」

「望むところだっての。啓介のその予想はハズレだけどな。」

「えっ、ちょ二人とも...?」

まだ俺の許可下りてませんが..??

_結局。
啓介とはこの合宿中(あと3日)、楓とは合宿から帰った来週の3日間で"お試し恋愛"をすることが決まったのだった。