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第8話

さらなる告白。
「..それで、空利は告られたのか。」

「ほぉー..、三村がなぁ。」

「..はい。」

ここは保健室で、今は放課後。

頭になんか全く入らなかったが、今日はしっかり授業に出た。

頭の中をいっぱいにしてるのは今朝の出来事。

あれから啓介は、
こちらを時々チラチラ見るものの、話しかけては来なかった。

それがさらに俺を混乱させている。

まぁ、話しかけてきても多分パニックになっちゃうと思うけど。


この間、柴原先生と増岡先生が「何かあったら俺達に相談してくれ」と言ってくれたため、
今日はお言葉に甘えさせてもらう。

誰かに聞いてもらいたいほど、俺はずっとパニック状態だったのだ。
「でも"やっと"って感じだな。」

「え?」

柴原先生は俺に笑いかけながら言う。

俺には理解が出来なかった。

「だってさー、三村はずっと空利のこと想ってたじゃん。」

「..確かに。あれは丸分かりだな。」

増岡先生まで何を言っているのだろう。

「..どういうことですか??」

「だから、三村はお前のことがずっと好きだったんだよ。」

「あ、違うか。今も、現在進行形だな。」と柴原先生は少し訂正する。

でも、そんなことどうでも良かった。

好きだった?
..啓介が、俺を?

じゃあこの前のあの行為も、俺を守ってくれたのも..
全部、俺の事が好きだったから..?

「..そんなの分かるわけないじゃん。」

ボソッと呟いたその言葉は、先生達には聞こえなかったらしい。
ピロンッと聞き覚えのある通知音が鳴る。

俺のスマホのLINE着信音だ。

先生達に一言断りを入れて確認すると、

「空利、部室にお前の忘れ物がある。届けには行けないから、悪いが自分で取りに来てくれ。柊。」

と、柊先輩からだった。

忘れ物..?

何か忘れたっけ?
全く覚えがない。

でも、もしかしたら重要な物かもしれないから、先生達に説明して取りに行くことにした。

このあと、"あんなこと"が起きるとは知らずに..。


部室に入るには、いつも部活で使う講堂を通らなければならない。

ガラガラッ、と閉まっていた講堂のドアを開ける。

開けるとそこには、

「柊先輩..?」

「空利。」

柊先輩は、スマホを片手で触って講堂の真ん中に立っていた。

「あ、あの..、忘れ物って?」

俺も、柊先輩の方へ歩いていく。

「あぁ、悪いがそれは嘘だ。」

え、嘘..?

「じゃあ何で..っっ?!」

いきなりぐいっと腰を引き寄せられる。

そして柊先輩は俺の顎を掴み、
もう少しでキス出来そうな位置まで引き寄せた。

何が起きているのか全く理解できない。

「あの..、柊先輩っ..。」

離れようともがくが、腰を強く持たれ動くことすら出来なかった。

「..やっぱり、俺じゃ駄目か?」

「へ..。」

何が、駄目?

「俺は、お前が入部した頃からずっと一緒にいて..。」

「..いつの間にか好きになってた。」

「ちょ..、」

言っている意味が分かりません、と言おうとした口は先輩の唇によって塞がれた。

「んんっ、ゃっ..ひぃらぎっ、せんぱっ..。」

嫉妬のような、どこか切ないような..でも激しいキス。

何これ..。

こんなこと思ってちゃいけないのに..、気持ちいい。

脳がほんとに溶けそうで、腰が抜けた俺を先輩はしっかり支える。

それでもキスは止めなかった。

どのくらいキスしていただろうか。

やっと唇を離された俺は、腰から崩れ落ちていった。

とにかく息を整えて、涙目で先輩を見た。

「..そんな目で見てたら勘違いされるぞ。」

勘違い..?

「特に、三村とか橋本とかはな。」

啓介と、楓が..?

すると、先輩は俺の隣へ座ってきた。

やっと頭もはっきりしてくる。

「空利、お前、告られただろ。三村に。」

「え..。」

何で分かるのか..、さらに頭がこんがらがる。

「だろうな。今日の三村見てたら分かる。」

「お前のことずっと見てたし。」と、先輩は少し苦笑いしていた。

「..お前は、三村と付き合うのか。」

「えっ..、」

突然の質問に何と答えたら良いのか分からなくなる。

「この前の..、あの時、俺はもう空利に告白した上でやったことだと思ってた。」

この前の..、あれはいつ思い出しても寒気がする。

無理矢理は嫌だ。

たとえ、啓介や楓でも..。

「俺は前からお前を守っているつもりでいた。..だが、ああいう事があって、もう二度と起きないように..、ずっとこれからも空利を守りたい。」

先輩はずっと俺を守ろうとしてくれてた..?

「だから、俺じゃ駄目か?」

柊先輩にはいつも感謝している。

でも、それが恋愛感情だとは思えなかった。


啓介は..。

同じようには想えない俺がいた。