私は力を持っている
それも有名な一つなのかもしれない
力を持ってることは不思議…なのかもしれないな
そんな事。この世界では関係ない。
そう。《人ではない者》まで存在するから
その時。
依頼を届ける届屋であるディカが笑っているのを
私は見逃してしまったようだ。
その日の晩はさっそく館に向かった。
今回の依頼はこの館の主の暗殺…
門の前に立っただけでもわかるほどの広さ。
広すぎでしょ…殺せるかな…
不審がられないようにそっと顔を覆った仮面をずらす
…情報は多い方がいいし。
関係なくても役立_
たしかに顔は写真になっていたターゲットだ
だが、情報が違う。
こいつはどんなやつにも冷たくあしらうはずだ。
こんな…爽やかな笑みを浮かべたなどと
聞いたことがない。
…だが情報が得られるかもしれない。
危険だが…次来た時に…
あわよくば今晩殺せるかもしれぬしな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!