第11話

弱音
65
2021/06/04 17:29
というか、好きな人を目で追っちゃうのなんて、仕方ないよね…。


私より前の方の席にいるのが、ずるいよ…。
だって、すべてが愛おしいんだ。
近道くんはとくべつ優しいほうではないけれど、なんかこう、言い表せないような魅力を持ってる。
かと言って、近道くんがめちゃくちゃ優しい人間だったとしても、好きになっていたと思う。
そう、私が近道くんを好きになったきっかけも、"夢"だった​───────。

夢の中で、私を、何度も助けてくれたの。



でも、今日、それがただの夢だということがハッキリと証明された。
近道
​───────。
その日の夜。
夢叶
(どうしよう…誰もいない?)
夢叶
(あ…体が動かない!)
たすけて…

たす…けて…
ヨルノ
ヨルノ
か!
ヨルノ
ヨルノ
夢叶!
ヨルノ
ヨルノ
しっかりっ!
夢叶
あ、あぁ…
夢叶
ヨルノ…。
夢叶
私…
夢叶
また、恐ろしいもの、見た…
ヨルノ
ヨルノ
だろうね…反応がなかった…
金縛り…?
夢叶
そうみたい…
声も、また、出なかったし…
夢叶
っねぇ私…
夢叶
近道くんのこと、あきらめた方がいいのかな
ヨルノ
ヨルノ
!?
ヨルノ
ヨルノ
どうしたの、いきなり…
夢叶
あ…こんなこと言っちゃうとまた、ヨルノに負担かけちゃうね…
私、弱音ばっかり吐いて…。
ヨルノ
ヨルノ
いいじゃんか。
ヨルノ
ヨルノ
私は夢叶を支えるためにいるんだよ?
ヨルノ
ヨルノ
それに
ヨルノ
ヨルノ
夢叶が溜め込んでつらい思いしてるのを遠くから見ているこっちがつらい。
心の内のことを話したくないなら、それでいいけどさ。
夢叶
でも私、迷惑じゃないかな…
ヨルノに、嫌われないかな…
こんな私、自分で嫌いなんだから、人に好かれるわけがないよ。
ヨルノ
ヨルノ
…私は迷惑とは思わないけど。
ヨルノ
ヨルノ
でも、難しいよね。
「話くらいなら聞けるよ」って言う人だって、実際話聞いたら疲れちゃうんじゃないか、って。
ヨルノ
ヨルノ
相手の気持ちなんて、わからないしね。
ヨルノ
ヨルノ
でも、迷惑かけてると思うのなら、そのあとが大事だと思うよ。
ヨルノ
ヨルノ
迷惑かけてしまったものは、取り消せない。
…だけど
ヨルノ
ヨルノ
あとで気づいて、助けてくれた人には感謝したり
謝りたいって気持ちがあるのなら謝ったり。
ヨルノ
ヨルノ
人を傷つけていいとも思わないし、迷惑をかけていいとも思わないけれど、人間やっぱり、間違っちゃうこと、あるよ。
ヨルノ
ヨルノ
夢叶は今まで、私にひどいこと言ってきたこともあったよね。
ヨルノ
ヨルノ
でも成長した今なら、あのときの夢叶の気持ち、少し、わかるんだ。
夢叶
…。
ヨルノ
ヨルノ
人を傷つけること、迷惑かけることを、間違いだと言ったけれど、弱音を吐くことはやめないで。
ヨルノ
ヨルノ
人と場所さえ選べられたら、きっと、楽になれるから。
ヨルノ
ヨルノ
私は、夢叶が創り上げた、"味方"だよ?
もっと、頼らなくて、どうするの?