生まれてこなければよかったのに
私は…
何回この言葉を言われただろう…
わからない…
私は…どこで道を間違えたの?
生まれる前から間違っていたの?
私は…どうして生まれてきたんだろう…
私の家は荒れている…
理由は父さんだ…
父さんは酒飲みでギャンブル好き
私達を腹いせの道具にする
そんなクソ野郎
母さんが別れを切り出すと暴力を振るう…
母さんは別れられず…
母さんは…
いつからか私に当たるようになった…
でも私は責められなかった…
だって母さんは自分でどれだけ理不尽な事を言ってるか…
理解していたから…
だって母さんは…いつも…
泣いていたから…
自分が当たってるとわかってて…
別れないといけないとわかってて…
それでも出来なくて…
だからね…私は…
母さんを助けるために…
自分の身を削ったの…
父さんが居なくなったのを見計らって…
母さんが居なくなった…当然父さんは怒り狂って…そして…ついに薬物にまで手を染めてしまった…
そして…ある日…父さんは…
今までの悪事の…罰を受けることになった…
父さんはもがき苦しみ…
いつもの怒り狂ってる態度とは裏腹に私にすり寄り助けを求めた…
どの口が…と思ったし
今までの事を考えたら当然の報いだとも思った…
私は最善の選択を取ることにした…
私は両腕に着いた四本の引っ掻き傷を無視し家を出た
そしてただがむしゃらに走り出した
説明した…
全て…
私は初めて人の温もりを感じながら意識を手放した
薬品の香り
清潔なベッド
病院なのだとわかった
別室
戻ってきた二人を見ると…
あれから目まぐるしい時は流れてやっとお礼を言える時間ができた
あれから数年の時が流れても私達の交友は続きある日相談を受けた
これが私のすとぷりの始まりだった
あれから更に時は流れて…
私達は…
ライブを開くまでになった
ライブの時間はあっというまに流れて一人一人のコメント…
私の番がきた
はーーい!
その一言で私はここに居て良かったってもっと思えたの…
これからも
このメンバーと…
ずっとずっと…歩んでいきたい
今の私の…一つだけのお願いです
END
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!