〜望のお家到着〜
めっちゃデカい!
うん、とにかくデカい。
望くんの大きな家見たら、
さっきまでのことなんて忘れちゃった。
わたし、なんで泣いてたんだっけ?
って一瞬思った。←え
それにしても…
さっきまでのテンションは何処へやら
望くんが静かになってしまった…。
聞いちゃまずかったかな…。
…ダメだ。
望くんが優しくしてくれるから、
どうしても甘えてしまう…
『 わたしだって、望くんのこと好きです 』
そう言いたかったのに、声は出なかった。
たぶん、まだ旦那さんのことが好きだから…
忘れられないから…
『 うん!』とは言えなかった。
きっと、少し前のわたしなら
言えたかもしれない。
いまは、
ホントに、好きなの?
と自分に問いかけてみても返事はできない。
だって、さっき聞いてしまったんだから。
はっきりと。
旦那は、浮気していた。
わたしも、浮気している。
ということは、好きじゃないのかな…。
返事に困ってると、
ガチャ_____
帰ってきたみたい_____
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!