第4話

嘘と君は紙一重
時に女子高生。
放課後の空き教室に呼び出されるイベントとは何か。そう、告白である。
嘘か誠か、こんな冴えない女子高生にも春が訪れる(かもしれない)とは世も末だ。
なんてジョークにしては寒すぎることを考えていると先輩の教室に着いた。
呼び出された場所。
生徒はもう帰っていたり部活に行ったりと人気はなく、オレンジ色の夕日と、それに照らされた陽だまりが静かに存在している。
大きく高鳴る胸と小さく抱く期待を手にこめてドアを開けた。
夏鈴(かりん)
東雲先輩、
体は黒板に向けたまま、顔だけを窓の外に向けてを黄昏れる先輩がいた。
私の声か、ドアの開く音に反応した先輩はすぐに私の方を向いて「夏鈴ちゃん」なんて小さく笑ってくれた。
ぺこりとお辞儀して先輩の元へ向かう。
夏鈴(かりん)
あの、お話って
もしかして告白ですか、という言葉を飲み込んで問いかける。
すると先輩は私に向き直り、とんっと1歩、歩み寄った。
新(あらた)
ごめんね、呼び出したりなんかして
整った先輩の顔が夕日に照らされる。
儚げな表情にあれ、と不安が胸にチラついた。
「…俺さ、夏鈴ちゃんだけには絶対言っておきたいことがあるんだ」
言っておきたいこと。
まさか。
自惚れていたの?
夏鈴(かりん)
はい
泣きそうにもなりながら返事をすると、すうっと息を吸い込む音が聞こえた。
新(あらた)
俺は
新(あらた)
西園寺グループの跡継ぎ…なんだよね
夏鈴(かりん)
そう、です…
夏鈴(かりん)
ん?…は!?!
少し待って欲しい。
西園寺グループといえば名前を聞けば知らないものは居ないというほどの有名な保険会社。
下請けの会社も数多く存在しておりその財力はあの三大財閥にも及ぶとか。
新(あらた)
あ、ご、ごめんね、びっくりさせちゃったよね
そりゃまあ。
でもなんだ。そんなこと。
私の考えていたことじゃあ無かった。

てっきり私が東雲先輩を好きなことが本人にバレていて辞めて欲しいみたいなこと言われるのかと思ってしまっていた。
夏鈴(かりん)
大丈夫ですよ、あはは、まあたしかにびっくりしましたけど
まだ想ってもいいんだ、と少し悲しい中にも嬉しさを見つけた。
ふう、とため息をついてにこりと笑うと東雲先輩が口を開いて、さっきの新事実が霞むことを言った
新(あらた)
良かった
ただ言っとかないと結婚式とかで驚かせちゃうかと思って
なんだって。
今なんて言った。
新(あらた)
迎えに来たよ、お待たせ
そう言って笑った東雲先輩は私に跪き、手をとり、私の手の甲に接吻をした