志)雨も止みそうにないな。
店の外を眺めながら呟く
大)志季。
志)どうした、彼女はいいのか?
大)服もあらかた乾いたので、送って行こうかと思ってあとそのまま帰ります。
志)分かった、なら傘を持っていけ。里津花が持っていったから店のは一本しか残ってないがな。
大)いいんですか?
志)止みそうになかったら店に泊まるさ。
大)ありがとうございます、お疲れ様でした。
志)お疲れ、裏から帰れよ。
大)はい、それじゃ待たせてるんで。
(お辞儀をして帰ろうとして)
志)送り狼になるなよ?
大)なりませんよ!それじゃ!(帰る)
志)やれやれw
・
・
大)お待たせ、裏口から帰ろう。
)はい...あの、大さん。
大)何?
)ならないんですか?送り狼。
大)ゴフッ!!(むせた)なっ!聞こえてたのか。
)なってもいいんですよ?
大)からかって遊んでるだろ。
)バレました?w
大)帰るぞ。
)はい。
2人は店を後にする
その頃、相合傘の2人
里)店から近いんだ、家。
)そっ、だから深酒しても大丈夫ってわけ。
帰路につき、やがてマンションが見えてきて
里)ここ?
)そうよ...肩、濡れてるじゃない。
里津花の左肩が雨に打たれて濡れている
里)貴女が濡れたら困るでしょ?
)部屋に来て、コーヒーとタオルを貸してあげるから。
里)いいの?
)いいから言ってるんでしょ。
里)俺、部屋に入ったら止まれる自信ないよ?
)(!)いいから、行くわよ!
部屋に入った瞬間、奪われるようなキス
)んんっ!!
里)んっ...はぁ..ふふw こうゆうのを送り狼って言うんだっけ?
)だとしたら..ッ!..今夜はきっと満月ねw
ここにいるのは2匹の狼...
やむ事のないキスの雨に溶かされながら
熱のこもった瞳に射抜かれて
里)深く俺を求めて、俺を愛してよ。
雨音が静寂を消していく
終わり
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!