cocktail🍹Grape


）ここが志季の部屋...
志）眺めてても入れないぞ。
）なら早く開けなさいよ。
志）仰せのままにw

ガチャリと鍵を開けて扉を開ける

志）さぁ、どうぞ？
）お邪魔するわ。

誘われるまま中へ

ガチャン。
後ろで鍵の閉まる音がしても気づかないフリ

志）それでどうする？
）何が？
志）来て終わり、じゃないだろう？
）それはそうだけど。
志）食事は用意出来ないが、風呂にするか？
それとも..俺にするか？
）ばっ、馬鹿じゃないの！//
志）一度、言ってみたかったw
）言うのは普通、女側だけどね..

志）冗談はさておき、飲むか？
）そうね、お店じゃコーヒーだけだったし。
志）シャンパンがある、少し待ってろ。

言われてソファに座って待つ
ほとんど物がないリビングに
観葉植物だけが存在感を出している

）物が少ないのね。
志）ほとんど寝に帰る部屋だからな。
）ふぅん。
志）ほら、グラス。
）ありがとう。

シャンパンで乾杯
喉が乾いていたので一気に飲み干す

）...ふぅ。
志）いい飲みっぷりだなw
）喉が乾いてたのよ。
志）まだあるぞ。
）ありがとう。

無自覚に緊張していたのか
グラスを開けるスピードがいつもより早い
そんな自分に付き合って飲んでいる志季は
平気な顔してボトルを傾けている

）...なんでいつも余裕そうなのかしらね。
志）どうしたw酔ったのか？
）...酔ってない。
志）はいはいw 

）そうやっていつも余裕ぶってる態度が嫌。
志）そう言われてもな..なら、どうしたらいい？
）もっと慌てなさいよ。
志）俺は顔に出ないタイプなんだ。
）誰にも関心がないだけでしょ。

心にもないセリフが口から溢れる
酔っているから..
いや、心が弱っていたのかもしれない
愛されている証が欲しかった

志）...本気でそう思うか？
）ｯ！

急に真剣な眼差しで見つめられ息を呑んだ

志）誰にも関心がないと。
）だって...

志）確かに、人と一線引いてるところもあるが
お前は違う...人の気も知らないで無防備に
他の男と飲んでみせたり、今みたいに弱った部分を
曝け出してるのを見ると...

そう言いながらグラスを取り上げる姿を
黙って見つめていると
ふわりと体がソファへと横たわる

志）どうしようもなく、心がかき乱される。
）嘘っ！
志）嘘じゃない。
）そんなそぶり見せた事ないじゃない..
志）言っただろ？顔に出ないタイプなんだ。
）そんなの....

志）信じられないか？
）...

答える代わりに首に腕を回して抱きつく
伝わったのかクスリと笑う声が聞こえて

志）それじゃ、もう一度聞こうか？
）何を？
志）さっきも聞いただろ？
飲んだから後は風呂にするか？それとも...

不適に笑う顔が近づいて

志）夜が明けるまで、俺を堪能するか？
）...言わなくても分かるでしょう？

互いに求めるように口付けて
夜明けに眠る..そっと降る愛が止まらない

密やかな真紅の恋を...


終わり