倉本 side
目の前の大きな男は大きく手を振りかざし
ものすごい形相で睨んでくる 。
もうダメだと思った私は 、強く目を瞑り
襲ってくるであろう痛みに備えてグッと力を入れた 。
.... んだけど 、一向に痛みは襲って来ず 。
「 オラァッ !! 」
『 ... ッ ! 』
「 .... ァ ?! ンだお前 .... !! 」
『 ... ?! 』
「 すいません 。この子 、俺の連れなんで 。
手出さないでもらっていいですか ? 」
そう 、少女漫画でありがちな感じで ←
菊池くんがその大男の拳を掴んでいたのだ 。
.... いやホントこんなのホレる以外の選択肢ないよねって()
「 .... ッオラァ 、!!! 」
菊池「 .... 聞こえてないんすか ? 」
「 ... ?! 」
菊池「 .... だから 、手 、出さないでもらえます ? 」
「 っ親分 !! 、コイツ只者じゃねえっす !! 、 」
「 クソッ !! 一旦ズラかるぞ !! 」
「 はい !! 、 」
菊池くんが1言そう言うと 、逃げていった大男たち 。
.... いま思うと菊池くん相当怪力だよね ←
『 あ 、ありがとうございました !! 、 』
菊池「 ん 、気にしないで 。それより怪我は ? ない ? 」
『 っはい !! 大丈夫です !! 』
菊池「 よかった 。
.... てかその制服 、Sexy Rose高等学校の ? 」
『 そうですけど .... あ 、もしかしてお兄さんもですか ?! 』
菊池「 そ 。奇遇だね 」
『 なんと .... !!
って 、それよりお兄さん !! 何か助けて頂いたお礼をさせていただけませんか ?! 』
菊池「 お礼 ? 」
『 はい !! 命の恩人なので .... !! 』
菊池「 ああ 、それなら気にしないで 。
お礼なんてそんなのされるような柄じゃないし 。 」
『 でも .... !! 』
菊池「 ... じゃあさ 、また会えたら声かけてよ 。
同じ学校だしさ 。そんときに何かお礼して ? 」
『 っわかりました !! 』
菊池「 んじゃ 、友達待たせてるから 」
『 っあ 、待ってお兄さん !! せめてお名前を !! 』←
菊池「 ... あー 、菊池風磨 」
『 ... !! 』
去ろうとしていた菊池くんの背中に向かって叫ぶと
カッコよく振り向いて教えてくれた名前 。
そのときの菊池くんが 、私には輝いて見えて
ああ 、恋に堕ちてしまったんだなって思いました()
.... 軽い女だなんて思わないでね ←
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。