ミョンホは申し訳なさそうに
僕の右腕をさすった
ミョンホはキョロキョロと周りを見渡し
なんで聞いてきたくせに
答えようとしたらいいとか言うの、、
僕はミョンホの行動を理解出来ないまま
体を前に傾けて
ミョンホの顔に耳を近づける
え、
小走りに駆けていく背中を見送り、
僕はヒョンの部屋に体を向き直した。
ノックしようと右手を上げる
ドアに指を近づけた時
話し声が聞こえた
僕は何となく
言えないような気がした
ヒョンは本当にあいつを信用してるんだ
ヒョン…
ヒョンのため、とかじゃなくて
ただ、なんとなく
いえない感じだった
いえなかった____。
僕はヒョンの部屋のドアに背中を向け
リビングへと足を運んだ。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!