コンコン
ガチャ
作業室に入ると、
ジフナは椅子に座り
パソコンで作業をしていた
ジフナは、パソコンを見たまま私に聞く
椅子をクルッと回して
振り返る
私はポケットからそれを取り出す
何の変哲もない、ただのみかんを、
ジフナに手渡した
ジフナは椅子に座ったまま、
みかんをずっと見つめている
部屋の電気が暗いからだろうけど、
ジフナの顔も暗く見える
私はドアへ引き返した
.
ジフナは椅子から立ち上がり、私の方へ歩いてきた
私はジフナの方に体を向け、
なに、と聞きかけたとき
私の体は強く引かれ、
ジフナの胸の中にすっぽりと収まっていた
私はジフナより背が低い
ジフナは私の肩に顔を埋めたまま、
何かを呟いた
.
ジフナの手は、とても震えていた
何がそんなに怖いんだろ、?
私はジフナの頭を撫でる
すると、より一層抱きしめる力が強まる
ジフナは少し力を緩めると、
そう言って、
私の首に
ポッポ
ではなく
キスをした
ガリッ
ジフナは、パソコンの方へ歩いていく
ジフナの唇が触れた所が熱くなる
その熱が体全体に回り、
恥ずかしさで死にそうだった
…だけど
ジフナは、急に
作業中だった曲のファイルを消去し
ドアを開け、部屋を走って出ていった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。