サランside
いらいらするぐらい、真っ赤な夕日は
私達を照らしていた。
もう、夕方も終わりそうなのに…
ソクミンさんと、スングァンさんは
浜辺に腰を落とし、私に手招きをした。
私は2人の横に座って、照らしてくる夕日を眺める。
適当にそう返しただけなのに、
スングァンさんが凄く褒めてくれるから
ちょっと笑ってしまった。
スングァンさんは、私を指さす。
ソクミンさんは、小さく何回か頷き、口を開いた。
え、うそ、
そんな顔にでてた…?
なんて言えばいいか分からずに
黙り込んでいると、
と二人で話し始めるので
場違いだなあ、と感じる。
私は足元に落ちていた枝で、砂いじりを始めた。
2人が顔をこちらに向けるので、
しまった、口を挟んじゃった
と思い、言葉を失っていると、
スングァンさんはうん、ヌナと繰り返す。
顔合わせの時、
仲良さそうに並んで立ってたのに
最初はそうだったんだ…
すると、スングァンさんは立ち上がって
私の隣に座り、
私はブソクに挟まれるような形になった。
スングァンさんは大きな声で、
ソクミンさんは少し照れくさそうに、
"ヒョンはいい人"と私に言う。
最初からこういうつもりで私を連れてきたんですね、
私が訳を話そうとするのを遮り、
ソクミンさんは、はははと笑って
スングァンさんは耳を手で押えて
聞きたくない、とでも言うように目をぎゅっとつむる。
スングァンさんも肩を抱いてくる。
肩を組まれるので、私は窮屈に肩を狭めてしまう。
楽しいなあ、
キムミンギュはこんなに優しくて面白い人達と一緒にいたんだね
…そっか。
ちょっと恥ずかしくなって、
早歩きで浜辺を歩くと、
後ろから
待ってよサラン〜!とスングァンさんの声がする。
その後、パシンッとハイタッチの音も聞こえた。
キムミンギュ_________
…いや、仲良くできる人とだけでいいんだ。
私はそう自分に言い聞かせ、
皆がいるログハウスに帰った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!