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第1話

キッチンにいつも現れる女の人
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2018/07/21 04:36
この話は、私が高校生の時に体験した話です。

それは、昔の古い家で起こったことでした。現在の新しい家になってからは、その女の人を見たことはありません。古い家で育った私は、そこで、私と私の両親と3人で暮らしていたのです。

私が、その時の初めての体験をしたのは、よる22時ごろ、お風呂から上がった時のことでした。お風呂からあがり、喉が渇いていたので、お風呂場の横のキッチンにいったのです。そして、水をもってリビングにいった時に起こりました。その時、リビングからキッチンをふとみると、背の高い人が立っているのが見えたのです。その人は、私の知らない人ということがわかりました。白い服を着て、かみが長く、下を向いてそのままキッチンで立っていたのです。
しかし、顔は見えませんでした。その見えなかった理由としては、その人の背丈が異常に高くて、その家の天井よりも高いと想像したのです。ですから、私が見えていた部分は、首から下だけで、その上は見ることができませんでした。もしかしたら、首から上は、なかったのかも知れないと思うくらいの高さだったのです。

そしてその人を見た時、不思議と怖いという気持ちになれなかったのです。しかし、その人を、もう一度しっかりと見ようと、キッチンにいこうとした時、姿がなくなっているのを確信しました。その時、怖くないと感じていた感情が突然、怖いと感じて、体が震えて来たのを覚えています。そして突然、怖くなって、母親のところにいきました。しかし、説明をしても母親はそんなことを信じる人ではなかったので、しませんでした。
その後、全くその女の人を見ることはなかったので、私が見たのは、幻で目の錯覚であると感じるようになりました。目の錯覚か、夢に見たのではないかと思うようになっていたのです。

しかし、そのことを再び体験する時がきました。今度は、お風呂から上がった時に、キッチンにある鏡を見ていると、キッチンがそこから鏡越しにみえました。その時、再び、その背の高い女の人が私の後ろに立っているのが見えたのです。その時、ゾッとして、今度は確かに本当だと確信をしました。そして、怖いと思う反面、どんな人か確かめようと振り返ると、消えていたのです。
それからは、もう二度とそのような体験をすることはありませんでした。そのため、その女の人が誰でなぜ、私の前に出てきたのか、知ることができません。しかし、確かに見たということは、私の心のなかにしっかりと覚えて記憶として残っています。

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