それからの、日々は…
Ifside
俺は、優等生であることが、当たり前になっていた。
まだ、俺が優等生であるだけならよかった。
被害が、俺だけならよかった。
でも、
ほとけは、俺以上の被害を受けていた。
苦しんでいるほとけを、俺は救えなかった。
ベッドの中で、ほとけは、毎日密かに泣いていた。
ほとけが、幼なじみが、義弟が、泣いているのに…
俺は、なにもできなかった。
俺は、自分の感情を表現することが苦手だったから。
慰めることすらも、できなかった。
そんな、俺が考えた、ほんの少し、ほんの少しだけだけどほとけを楽にする方法。
それが…
煽ること。
お母さんとお義父さんは、俺らを愛していない訳じゃない。
むしろ、愛しているからこそだって、わかっていた。
俺らにとって、「好き」は、決していい言葉ではなくて。
だからこそ。
「嫌い」ということで、頑張りすぎなくてもいいってことを、
ほとけに、伝えたかった。
あいつは、
なにも考えてないようで、
裏ではめっちゃ考えて、めっちゃ努力している。
それなのに、『劣等生』と言われ続ける、ほとけを、
少しでも、楽にしてあげたかった…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。