第11話

"劣等生"と"優等生"。(2)
82
2022/11/29 13:16
それからの、日々は…
Ifside
I,
I,
お義母様、お父様…。
なんだいふ。
I,
I,
テスト、全て百点でした…。
あらそう。
『優等生』なんだから当たり前だな。
I,
I,
ッッッ…
俺は、優等生であることが、当たり前になっていた。
まだ、俺が優等生であるだけならよかった。
被害が、俺だけならよかった。
でも、
ほとけ!テストを見せろ!
H,
H,
い、いゃ…
なによこの点数!?80点とかあり得ないわよ劣等生!!
H,
H,
…グスッ
めそめそ泣くな!
殴×∞
H,
H,
うっ…痛いッッッ…
うるさい!黙れ!
ほとけは、俺以上の被害を受けていた。
苦しんでいるほとけを、俺は救えなかった。
ベッドの中で、ほとけは、毎日密かに泣いていた。
ほとけが、幼なじみが、義弟が、泣いているのに…
俺は、なにもできなかった。
俺は、自分の感情を表現することが苦手だったから。
慰めることすらも、できなかった。
そんな、俺が考えた、ほんの少し、ほんの少しだけだけどほとけを楽にする方法。
それが…
I,
I,
ほとけのばーか。
煽ること。
お母さんとお義父さんは、俺らを愛していない訳じゃない。
むしろ、愛しているからこそだって、わかっていた。
俺らにとって、「好き」は、決していい言葉ではなくて。
だからこそ。
I,
I,
ほとけなんて嫌いッッッ!
「嫌い」ということで、頑張りすぎなくてもいいってことを、
ほとけに、伝えたかった。
あいつは、
なにも考えてないようで、
裏ではめっちゃ考えて、めっちゃ努力している。
それなのに、『劣等生』と言われ続ける、ほとけを、
少しでも、楽にしてあげたかった…

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