第12話

①①
226
2022/08/10 10:06
ー高専ー
虎杖悠仁
なぁ、伏黒〜。五条先生て彼女いるの?
伏黒恵
なんでオレに聞くんだよ。知らねーよ。
釘崎野薔薇
いるわけ無いでしょー、
あんなチャランポラン。
虎杖悠仁
じゃ、人違いかぁ。
伏黒恵
あんなデカい人、見間違うわけねーだろ?
何か見たのか?
釘崎野薔薇
そーねー、身長と態度だけはデカいもんね。
でぇ?
女といるところを見たってことかしら?
虎杖悠仁
そぅ、なんかおシャンティーなスーパーから
出てきてさ、その、彼女さん?奥さん?
にめっちゃ怒られてて。
伏黒恵
え。
釘崎野薔薇
は?
虎杖悠仁
いや、絶対そーなんだって
デカいけど、しっかり怒られててたんだよ。
ちゃんとシュンてなっててさ、デカいのに。
五条悟
ヌルッ 僕がぁ、何だって?(悠仁の背後)
虎杖悠仁
わっ!!っびっっっくりした〜
釘崎野薔薇
突然なのよね。たく。
伏黒恵
五条先生、ホントなんですか?
スーパーで殴られてたって。
五条悟
ハハハハハ、この僕が怒られるわけないでしょ?
GLGだよ?だし恵、殴られてないよ、僕。
勝手に話し広げないでくれる?
ハイハイ、朝礼やるよー ・・・
そう、そのスーパー前で
めっちゃ怒られて、置いていかれた。
おやつの買いすぎで。
悠仁に見られてたなんて…迂闊だったな…クソッ
虎杖悠仁
え?伏黒、今クソって言った?
伏黒恵
言ってねーよ
釘崎野薔薇
あんた、耳までイカれたんじゃない?
五条悟
・・・ははは…
家入硝子
ハハハハハ、アイツの金銭感覚バグってるしね。
あなた
糖分必要なのは分かるんですけど…
買い方が尋常じゃない。フフフ
こないだ頭にきすぎて、
スーパーに置いて帰りましたもん。ハハハ
家入硝子
つか、子供かよ。
でもさ、良かったな。あなた。
あなた
///フフフ、…硝子さんのお陰です。
家入硝子
にしてもさー
何がいー訳?見た目しか救いないでしょ?
あなた
コソッ顔は傑さんの方がタイプです。ハハハ
な〜んて。フフフなんででしょうね〜。
家入硝子
ククク、夏油の顔ぉ?マジか。前髪邪魔だろ。
どっちもどっちだわ。ハハハハハ
傑さんの離反のあとも、五条さんは私にずっと
普通に接してくれた。
それが私の気持ちをラクにしてくれた。
私以上に苦しかった筈なのに。

私がこっそり泣いていた後、知らないフリして
しれーっとおやつ持って遊びに来たり
そういう一つ一つが、ピュアな男の子みたいで、
何かに縛られていた心が、解かれた。

力関係では、当然雲の上の人だけど、
傑さんが居なくなって間もなく、夕方の教室で
五条さんが1人黄昏れていた横顔が忘れられなくて
そこには、最強呪術師の姿はなく
親友に置いていかれ、ひとり孤独になった
普通の高校生がいた。

大切な人を失った痛みがわかる分
いつしか私が支えられたらという気持ちになっていた。





……………………………………………………………………………
ー電話ー
五条悟
今日も帰れそうにないんだ。
ホントに参っちゃうよ。
あなたと会わなくてどんくらいだっけ?
あなた
3週間くらいかな?ちゃんと食べてる?
五条悟
んー、あなた食べたいけど?
あなた
///そーゆーの、いーから…//
五条悟
フフッ何照れてんだよ。次会ったら食うよ?
あなた
///・・・
五条悟
無視かよアハハハそこはさ、
いーよ、悟♡とか言えないかね~
あー、もしかして今、僕ん家?
あなた
ううん、自分家。
五条悟
な〜んで?
僕、いきなり帰るかも知れないじゃん!
あなた
絶対帰る前に連絡くれるし。
悟の家にいても…一人じゃ寂しいし。
五条悟
そっか、じゃ帰ろっかな~
あなた
うそ。フフフ。
あなた
私の事はいいから、悟、ゆっくり休んで。
食事は?終わったの?
五条悟
エクレア6個、チョー美味いんだよ!
いい店見つけたから、今度買って帰るね。
あなた
うん。・・・てか、それオヤツだし。
ちゃんと食べてね。
また倒れちゃうから。
五条悟
ハハッあ、そーだあなたさ、
もうすぐ誕生日じゃん?
何か欲しいモノある?
あなた
え?覚えてくれてたの?嬉しい〜♪
うーん、欲しいモノ…色々あるけど…う〜ん
五条悟
何でもいいよ?言ってみ?
あなた
…何でもOK?
五条悟
もちろん。任せなさーい。
フフフ、大概買えちゃうから。
あなた
御代官様かーい、フフフ…そうだなぁ…
あ、五条様?私、五条悟と1日ゆっくり
過ごそうチケットが欲しいです。
五条悟
アハハハ、僕と過ごすチケット?
自宅にいる日は過ごしてるじゃない?
あなた
ううん?
丸1日一緒に過ごすチケット。
朝から次の日の朝までだからねっ。
あなた
あ、このチケは期限なしだよ?
いつ悟がお休みになるかわかんないから。
五条悟
そんなんでいいの?
伊地知に言えばなんとでもなるよ?
いや、もっとあんでしょ。ネックレスとか
リングとか、バックとかさ。
あなた
あ、物品?ハハハ、それも欲しい。
でも、今は形で残る物より
記憶に残る事が欲しいんだよね。
1番ムズいかもよ?お金で買えないし。
物はいつでも、買ってくれるでしょ?
五条悟
アハハハ、いつでも買ってやるとは言ってねー
だろ?いいの?今だけかもしんねーよ?
あなた
ハハハそ~言われるとなぁ…
五条悟
あ、そ〜だ!
あさって仕事帰り家に来いよ。
やるでしょ?誕生日パーティー。
あなた
ホントに?!帰ってこれるの?ヤッタ~
五条悟
今んとこ特に大きな案件ないから
あなたよりは遅くなるけど、先家行ってて。
前倒しで悪いけどさ。大丈夫?
あなた
うん。あ、おすすめのエクレア食べたい!
五条悟
りょーかい。
久しぶりに悟に会える。
私の誕生日をお祝いしてくれるなんて
嬉しくて、楽しみでしかなかった。
10月29日 私の誕生日前日

私は軽食の用意をし、彼を待っていた。
帰ってきそうな時間になっても連絡はない。
いつ帰ってくるのか、ずっとドキドキしてた。


プルル

彼から来たメール。
五条悟
「今日帰れないかも。ごめん。」
あなた
・・・フフフ
やっぱりか…
何とも言えない寂しさが込み上げてくる
ちょっとだけ、楽しい時間を期待した私。
悟の家で、悟の私物に囲まれたこのリビングにいるのに
彼本人だけいない。
今日も会えなかったね。
あなた
ポロ…ヘヘヘ…そっか。
涙が溢れてくる。
近くなるほど、彼との距離を感じてしまう。
前まで何とも思ってなかったのにな・・・

傑さんがいなくなった時の感覚が蘇る。
彼が戻ってくるまで、私はそこに佇んで
彼が戻ってきても普通でいられるように、堪えていた。
あなた
「了解。お仕事頑張ってね〜」 送信と。
五条悟
「寝室使っていいからね」
ちゃんと繋がってる筈なのに。
頭では理解しているのに、気持ちが反比例する。
挫けそうになる。
自分用に買った小さなシャンパンを飲む。
シュワシュワした泡を見ていると泣けてきた。

会えないから?
満たされないから?
不安だから?
寂しいから?

私、強いはずなのに。ね。

日付けが変わり、ホントの私の誕生日になった頃
泣き疲れて、彼の寝室で眠りについた。







……………………………………………………………………




ー任務後ー
五条悟
はー…(祓った呪霊の山に座る)なんだかな。
よいしょっと。 グチャグチャグチャ
あ”〜靴、汚れんじゃんっ。
これ任務内容と違うよな~
想像以上の呪霊数、強さが増していったし…
誰かが誘導してる?呪詛師の仕業か?
にしても、目的がイマイチ分からない。
でも
標的が僕なのは間違いなさそうだね。
伊地知
五条さん、お疲れ様です。
五条悟
伊地知、買っておいてくれた?
伊地知
あ、はい。エクレア10個てしたよね。
今召し上がりますか?
五条悟
いや、いい。
このまま僕のマンション寄って。
着くの何時くらいになりそう?
伊地知
えー、2時間位かかりますので
1時前くらいでしょうか…
五条悟
そっか。じゃ30分で行って〜
(メールを打つ)
伊地知
えぇーそんな無茶な…トホホ
「これから向かうよ」って…遅いよな、時間。
メール送るのやめとこ。
アイツのことだから、帰ったかも知れない。
でももしかしたら居るかも知れない。怒ってるかな。

逸る気持ちを抑えていたけど、
外から部屋を見る。電気が消えてるか…
あなた、帰ったかもしれないね。




ー寝室ーカチャ
あなた
スヨスヨ
五条悟
フフフ 隅っこで寝んなよ。
玄関に彼女の靴があってホッとした。
待っててくれて、ありがとな。
泣いたような顔してさ。
寂しかったよな。
五条悟
チュッ(おでこにキスする)

僕はね、そこに居てくれるだけで
嬉しかったんだ。


…………………………………………………………………
ー玄関ー
五条悟
行くか〜 カチャ(玄関を出ようとする)
あなた
五条悟
ハハハ起きちゃった?おはよ。
立ち寄っただけだから、高専戻るね。
あなた
・・・うん。
五条悟
おいで。
あなた
ウルウルウル(近づく)
五条悟
ギュッ(抱きしめる)
あなた
グスッ/////イタタタタ ハハハ
五条悟
(顔を覗き込む)フフッ 
なーに、僕がいなくて寂しかった?
鼻水垂れてんぞククク
あなた
ポロ フフッ出てないよ~
目隠し怖い。
五条悟
ハハハあ、そう?
…遅くなって、ごめんね。ギューッ
あなた
ん。…ハハハ、苦しい〜
今日も忙しかったね。お疲れ様。
五条悟
・・・ハハッうん。
あなた
来てくれて、ありがとう///
五条悟
(オデコを重ねる)
五条悟
カワイイパジャマ着ちゃって〜
あなた
///ヘヘヘ
五条悟
・・・あなた、堪えてる?
あなた
///…ううん。フフッ…でも、
…ちょっと寂しかった。
五条悟
…(見つめる)それだけ?
あなた
///ウル 会いたかった。
五条悟
フフフあとは?
あなた
あと…
あなた
///ギューッとして?
五条悟
ん。ギューッ そんで?
あなた
///…うん…///……うん///
五条悟
フフフ ん?言えない?・・・きっとさ
こーだろ?(アゴを上げてキスをする)
あなた
///
10月30日 私が生まれた日

今日、悟は休日出勤となる予定だったが
溜まっていた仕事を終わらせ、早々に帰宅してくれた。
きっと予定を組み替えてくれたのかも知れない。
五条悟
誕生日、おめでとう〜
あなた
///フフッありがとう。

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