第15話

最終話
227
2022/09/25 10:00
彼が出ていって、ベランダから
渋谷方面を見つめた。
大きな帳が、私の目にも視えた。
もぅ、涙はでない。





ー5年前ー
夏油傑
久しいね。
夏油傑
キミから連絡してくるなんて
驚いたよ。
あなた
袈裟姿なんて、ここで仕事?
夏油傑
ハハハハ、ま、そんなとこかな。
あなた
…そっか。集会所みたいだけど・・
夏油傑
…要件を聞こうかな。私に話ってなんたい?
あなた
…うん。
夏油傑
どうしたの?
あなた
…うん。
聞きたいことがあって・・
あなた
・・・毎年、私の誕生日にメールくれるの
・・傑さん、でしょ?
夏油傑
ー・・・フッ、ハハハハ 
バレてたか。ハハすまないね。
PCから送信してたよ。ま、バレるよね。フフ
あなた
・・・
夏油傑
キミもさ、返信するじゃない。ハハハハ
ありがとうございます。て。
得体の知れない相手にさ。
でも・・・嬉しかったよ。
夏油傑
単に私のワガママだ。
一方的に別れを切り出したのにね。
あなた
フフフ …ありがとう。
あなた
・・・傑さん、
私、今好きな人がいるの。
夏油傑
・・・ハハハハそうか。
あなた
ごめんなさい。
だから、・・・メー
夏油傑
すまなかったね。…もぅ、送らないよ。
あなた
・・・ちゃんと、会って言いたくて、
夏油傑
フフフ、キミらしいね。マジメ。ハハ
私は、てっきり復縁したいのかと
思ってしまったよ。
手放した事に、今更後悔してる。ハハハハ
5年も経ってるのにさ。
あなた
・・・フフ
夏油傑
自惚れてたな。ハハハ
・・そう言うことか・・・
あなた
夏油傑
その男に付いていく事は容易じゃないよ?
フフフ いささか、辛いだろうけど、ね。
ま、キミなら大丈夫かな。
私が思う相手なら、の話だけど。
夏油傑
・・・そうか。すまなかったね。
これで、終わりにするよ。
あなた
傑さん、…五条さんの事は
・・・嫌い?
夏油傑
・・・嫌いじゃないさ。
ハハハハ何聞いてんの。フフフ
嫌いじゃない、そう聞いた時涙が溢れそうだった。
制服を着た二人が笑い合う。私は好きだった。
二人の仲には介入できないなーって。
羨ましくも、妬ましくも思った時もある。

お互いが唯一無二であり
悟と傑さんの望む未来は、
ずっと呪術師としての在り方だった。 
優先すべきも。

私は、ずっと2番目でいい。
昔から、妙に腑に落ちていた。
あなた
ん、良かった。ニコ
夏油傑
あなた?
あなた
ん?
夏油傑
・・・いい顔してるよ。
ー21:15ー

ベランダで帳を見ながら、色んなことを
思い出していた。
彼が出て行って、どのくらい経つかな。
意外とスグに終わって帰ってくるかも。
もしかして、に賭けて何か美味しい物を作ろうかな。

私は、彼の帰りを待ってる。
帳の外で悟の帰りを、ずっと待ってる。
あなた
・・・大丈夫。
…………………………………………………………

ー獄門彊の中ー
五条悟
まずったよなぁ。
色々と、ヤバいよなぁ・・・
こっから出れんの100年後?1000年後?とか言ってたよな。
なっげーの。
五条悟
・・・ま、なんとかなるか。
キミは私のことなんかいいからって言ったけどさ
僕も、同じだよ。
だから、平和な顔して笑っててよ。
絶対帰るからさ、

僕が大好きな皆、頑張って。
五条悟
フフフ ね。




ーendー

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