僕の仕事上、今までと変わらない付き合い方。
それでも彼女はいいと言ってくれた。
1つ変わったことは僕の部屋の鍵を渡したこと。
でも、僕がいないからって
一度も鍵を使って僕の家に来たことはない。
あっさりしてんだよなー。
僕の家の鍵なんて、嬉しいはずなのにさっ。フフフ
一応渡してあるけどね。
にしても、ここしばらく周りが騒がしくなってきてる。
何か良からぬ事が脳裏をよぎる。
実際、僕自身未登録の呪霊に襲われたし
人間界では抑止力である僕に、何を仕掛けようとしてんだ?
万が一に備えて、色々準備はしているけどさ。
目的はなんだ?
ー移動中ー
・・・・・
普段マメに連絡できないから
ちゃんとした空き時間ができた時にメールをする。
でも、僕の大事な質問に答えない場合(10分内)
プルルル、プルルル…
つい電話しちゃう。
え?僕一言も発してないんだけど・・・
僕の電話を一方的に切ってくるなんてさ
あなたくらいだよ。ナメられたもんだなフフフ
…もう1人。傑もそうだったっけ。
プルルルプルルル・・・
僕、あなたに何かしたっけ?
退学しようとしてた、か…
ふ~ん。
ある日の夜
ー五条宅ー
彼、彼女の関係になってから
今まで通りの付き合いでいるけど、
あなたからの連絡って殆ど無いなー。
僕から発信ばっかだ。
それが当たり前だったちゃ、そうなんだけど…
反応が変わらない彼女を不安に思う時がある。
僕が今まで通りじゃなくなってるのかな?
ピンポーン カチャ
僕は、アイツが離反した日から
「独り」にめっきり弱くなった。
寂しいと思うと、余計に不安が募る。
キミで埋め尽くされる事で、自分を取り戻す。
ーリビングー
紛れちゃったけど、僕はあなたの事を
言ったつもりだったんだよ?
でも、傑が好きだったのもホントだしね。
ま、いっか。
キミはずっと辛かったよな?
俺らの前では、しれーっと気丈にしてたけど
僕、知ってるんだよ。
ー医務室ー
傑が居なくなってから間もなく
キミが声殺して泣いてたの。
僕が居たことも気付かずに。
ずっと泣いてた。
僕もあなたも傑を助けられなくて、
苦しかったね。
学生の時にモヤモヤしていたその感じ
ハッキリ今、知った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。