第6話

二人
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2023/09/09 23:04
あなたside

目が覚めると見知らぬ天井が見えた。
横に達也くんが座ってる。
あ……そっか、今病院の中だっけ。
昨日起こった事が現実だとはとても思えない。

達也くんに水を手渡される。
そういえば昨日ここに来てからなんも飲んでないな。

達『水、飲みすぎんようにな。』
晴『俺、もうちょっと病院内散策したいんだよね。
昨日見れてない場所もあるだろうし。』
達『そうやな、俺と太我でもう1回3階見てくるわ。』

いつ出れるか分かんないもんね。
コンビニ行っといて良かったかもしれない。

本当に行く気なのかな。
昨日あんなにやばかったのに。

晴『じゃあ俺ら1階行くわ、あなた行こー。』

はるくんと1階に降りる。
日が差し込んで多少明るくなった病院は昨日より怖い雰囲気は無くなってる。
暗さは無くなってるからマシだけど。

晴『やっぱ不気味だな……』

昨日探索出来なかったけど1階には診察室が2部屋と待合室がある事が分かった。

診察室の中に入ってみると意外と綺麗だった。
当時のまんまって感じがする。
2人まで隅々まで見て回る。

突然私の目の前の大きな棚が大きく激しく動いた。

晴『あなた!危ない!』
「え、あ……ひっ、?!」

はるくんに手を引っ張られて抱き締められた。
大きな音がして振り向くと、ついさっきまで私が立ってたところにダンボールがあった。
今、私を狙って落ちて来た……?

晴『あなた大丈夫?!怪我してない?』
「うん……」
晴『ごめんね、俺油断してた。』

まだ抱き締められたまんま。
何故かドキドキする。

晴『他のところも見てみようか。』

そう言いながら手を繋ぐ。
その手が少し震えてて、私のことを必死で守ろうとしてくれてるのが分かった。

晴『俺から離れないでね。』
「うん、」

少し微笑んでくれた。
私は堕ちた。

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