第20話

変わらない
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2020/04/18 09:41




ーーーーーー次の日






私は恐る恐る教室を覗いている。





よし、まだ矢野くんは来てない!!






私「………ふぅ…」






と、ひと息つくと、、






矢野『真野さん何してるの?』







後ろから矢野くんのご登場!!!







私「!!!!!!!」







驚きのあまり心臓が飛び出るかと思った!!







私「ううん?何も??矢野くんおはっおはよう!」







慌てすぎだろ自分んんんんん







矢野『おはよう、真野さん』







と、いつもの笑顔で教室に入っていく矢野くん







いつも通り……だなぁ






いつも通りすぎて、、、






なんかそれも複雑なんだけど…






全然意識されてないってことじゃん







ちょっとだけショボンとしながら教室に入ると


山田が矢野くんに声をかけているのが聞こえる






山田『はよー、矢野』


矢野『おはよう』


山田『て、なんで顔赤いん?熱でもあんの?』


矢野『………別に普通だよ』


山田『いやいや赤いって!保健室行ったら?』


矢野『大丈夫だから。ありがとう』


山田『無理すんなよー?大事な大会の前だろー?』


矢野『……うん』







矢野くんの顔が…赤い??????



え!?さっきは普通だったよね??



てことは私と話して赤くなったってことだよね?



私これ自意識過剰じゃないよね…???




え???




ええええ?????







山田『おー真野!はよ』


私「お、おー!山田!オハヨウ(片言)」


山田『なんでそんな片言なん?』


私「い、いや、ソンナコトナイヨ」





山田が怪訝そうな顔して見てくるが、

平静を装って席に着く






『山田〜昨日のテレビ見た!?』


山田『おー見た見た!あれマジやばくね?』






山田が他の友達の席へ移動して行った




私と矢野くんの席は前後なんだけど…


微妙な空気が流れているのは


恐らく当事者である私と矢野くんしか気付かない





後ろの矢野くんの顔が見たくて仕方ないけど…



見ちゃおうかな…



見ていいかな…






そっと後ろを振り向くと、






矢野『……ん?』






そこにいるのはいつもの矢野くんだった







私「……なんだ、顔赤くないじゃん…」








は!!!!!




しまった!!!!!!!




つい本音を口に出してしまった!!!!!








私「あ、えーと、、気にしないで!はははー(笑)」






と、私は慌てて前を向いた







矢野『……………真野さんだって顔赤いくせに』







え??



今の、矢野くん、、だよね







もう一度後ろを振り向くと、、







ほんの少しだけ頬を赤らめた矢野くんが頬杖を着いて窓の外を眺めていた







私「や、矢野くんこそ、、」



矢野『………熱あるのかも』



私「え!!保健室行きなよ!」



矢野『…………嘘だよ』



私「え、、」



矢野『…………』



私「……………」






またもやなんとも言えない空気が流れた





ドキドキする…どうしよう







矢野『……今週末の試合、本当に来てくれるの?』



私「うん!もちろん!!全力で応援する!!!」





私は力を込めて言った





矢野『力強いね(笑)』



私「…あ、ごめん、つい…笑」






しまったああああ



今のは可愛く返事するところじゃーん



自分がバカすぎて泣ける、、







矢野『真野さんの応援、楽しみにしてる』








ニコッと笑って言った矢野くん





その笑顔は反則だよおおおおおおぉぉぉ…





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