第34話

余裕
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2020/05/06 11:53



矢野『じゃあ再来週の土曜日にその先輩がバイトしてるお店に行こうか』


私「うん!」





放課後、私と矢野くんは委員の仕事で居残りしていた


来週は矢野くんが大学の説明会とバイトがあるのでダメということで、再来週2人で莉子ちゃんが働いているイタリアンに行くことになった。






私「なんか部活の声とか音とか懐かしく感じるね」





ふと窓の外を見てそんなことを呟いた


少し前までは私達もその中にいたのに、、


学生生活って本当にあっという間。






矢野『真野さんは大学でもテニス続けるの?』


私「んー、サークルとかは悩むけど…」


矢野『サークルか、、』


私「矢野くんはバスケ続けるの?」


矢野『俺は多分やらないかな』


私「え!辞めちゃうの!?上手いのに…」


矢野『気分転換に友達とやる程度で良いかな』


私「その気持ち分かるー」





もう合宿とかやりたくないし、キツい練習はしたくない。





矢野『真野さんの幼馴染の及川くんはバスケ続けるのかな?』


私「どうだろう?多分続けるんだろうけど…」


矢野『そういう話はしないの?』


私「あんまりしないかなー。黒高のバスケ部だったことすら忘れてたもん。笑」


矢野『そっか。笑』





コタの進路聞いたことないなぁ〜。





矢野『これで最後かな?』


私「うん!」





私たちは委員の仕事をひと通り終わらせた。





矢野『じゃあ帰ろうか。送るよ』


私「え!いいの?」


矢野『いいよ?笑』







ーーーーポンポン、





あー、、ダメだ

この矢野くんのふわっと笑った笑顔に弱い






和真くん、、






て、やっぱり呼べないよぉぉぉ、、、(泣)







矢野『どうした?笑』






いつも矢野くんは余裕そうなんだよなぁ…






私「ううん!なんでもない」






なんで私だけドキドキしてるんだろう

矢野くんはドキドキしないのかな?

て、そんな恥ずかしいこと聞けるはずもない。






矢野『帰ろっか』


私「うん!」






今は当たり前のように差し出される手に、自分の手を絡めるだけで満足してしまう。





それでも私は、矢野くんとキスしたいって思ってるんだけど…





矢野くんは思わないのかなぁ…






思わなそうだよなぁ…

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