第22話

腰抜かす
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2020/04/20 13:11


栞『残念だったねー、惜しかったけど…』


私「………ね、、」





試合には負けちゃったけど、良いゲームだった。


私達は矢野くんたちバスケ部に声をかけずに会場を後にし、近くのカフェでお茶してから別れた。




栞『じゃあまた明日ねー!』


私「うん!今日はありがとねー!また明日ー!」






自宅の最寄り駅に着いたその時、






ーーーーブブブ、





ん?LINE?


通知を開けると、、






矢野✉もう家かな?






矢野くんだああああ!!!!!!!


予想してなかった送り主に思わず目を見開いた





私✉試合お疲れさま!いま帰り道だよ〜(^^)





返信すると、すぐにまた矢野くんからLINEがきた




矢野✉今から会える?




え!?!?

驚きすぎてスマホを持つ手が震える…

今から会える?って、、、

えええええええええ!?!?!?




私✉うん!大丈夫だよ!




短い返事をすると、矢野くんが私の最寄り駅に行くから待っててと返事が来た。





何この展開…

予想外の展開に思考が停止してしまう






しばらくして矢野くんから駅に着いたと連絡がきたので改札へ向かうと、ジャージを着た矢野くんが待っていた。






矢野『ごめんね、急に』


私「ううん!大丈夫だけど…どうしたの?」


矢野『あーうん……ちょっと歩く?』


私「じゃあ、こっちの改札口の方が落ち着いて歩けると思う」





そう言い、私と矢野くんは歩き出した






矢野『今日は来てくれてありがとう』


私「こちらこそだよ!矢野くんすごかったね」


矢野『やっぱり黒高には勝てなかったけどね』


私「でもすごかったよ!」


矢野『はは(笑)ありがとう』


私「どういたしまして(笑)」





もともと静かな町だから、誰に邪魔されることもなくゆっくりとふたりの時間が流れていく、、





矢野『そういえばさ、俺がバスケ始めたきっかけ話したの覚えてる?』


私「うん、覚えてるよ!」




もちろん覚えてますとも!!

小学生の時に同い年ぐらいの男の子のプレーを見て、こんな風になりたいって思ったんだよね。




矢野『その時の男の子が黒高にいてさ』


私「………え、そうなんだ?」


矢野『高1の時に見た時はビックリした』





もしかしてそれって、、、





矢野『今日途中から出てきたんだけど、覚えてるかな?黒高の10番の選手』





やっぱりコタのことじゃん〜〜〜(汗)





私「あ、あぁ〜!うん!」


矢野『すごい上手いよね、あの10番。俺もああなりたいなって思ったけど、結局追いつけなかった』


私「矢野くんも十分すごいと思うけど…」


矢野『いや、全然だよ。悔しいけど完敗。』


私「…………」





なんて言ったら良いんだろう!?!?


コタは幼馴染なんです!


いやなんかもう今更感あるし…


いやでも知らんぷりするわけにも、、





矢野『あと、さ……試合中、真野さんの声めっちゃ聴こえたよ』



私「………え?私??」





コタのことをなんて伝えようか悩んでいる間に
矢野くんが話を変えた





矢野『うん、真野さんの声』


私「は、恥ずかしいな〜、、」


矢野『………そのおかげで頑張れたんだけどね』





ちょっと切なそうに笑う矢野くん



そうか、これで引退だもんね…







私「矢野くん、3年間お疲れさまでした」



矢野『………うん、ありがとう』






切なそうに笑う矢野くんを、ギュッと抱きしめたい

そんな欲望を抑えて、私も笑顔で返す。







矢野『真野さん』


私「なにー?」







矢野『俺、真野さんのこと好きです』








私「………!?!?!?」








思いがけない矢野くんからの唐突な告白に
腰が抜けそうになる







私「え、、、えっと、、、え???」








状況がまったく整理できない…


矢野くんが私を好き??


え、いま告白されたんだよね??







矢野『………聞いてる?』



私「……矢野くんが、私を、、?」



矢野『うん、好きです』



私「私を、、好き???」



矢野『………恥ずかしいから、何回も言わないで』






頬を赤く染める矢野くん



夢じゃ、、ない!?!?!?








私「……わ、わたっ、私も…す、す、好き…です」








わああああああ!!私のバカ!!!

どもり過ぎて絶対伝わってない(泣)








矢野『ほんと?』





私「うん…」







今絶対私の顔真っ赤だ!!

恥ずかしすぎて思わず下を向いてしまう








ーーーヒョコッ








私「!!!!!!」






矢野『本当だ、顔真っ赤だ(笑)』











下から顔を覗いてきた矢野くん





反則です!!!!!!!!!!









私「もう恥ずかしいから見ないで〜(泣)」



矢野『………真野さん』



私「………なに?」



矢野『俺のこと見て』







恐る恐る顔を上げると、、







矢野『同じでしょ?』







顔を真っ赤にした矢野くんがいた







矢野『俺と付き合ってください』







私「……はい(泣)」








答えなんて決まってるじゃん、、








矢野『あー、良かった!!』








どうしよう、今の私、、

世界で一番幸せかもしれない



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