第9話

目撃者
854
2020/04/07 11:03




駅から歩いて5分ほどの距離にある我が家




そんなに近いのに矢野くんに送ってもらうとは…







私「矢野くんの家は駅から近いの?」



矢野『うん、近いよ』



私「5分くらい?」



矢野『まぁそんなもんかな』



私「てか前から思ってたんだけど、矢野くんってミステリアスだよね〜」



矢野『ミステリアス??』



私「うん、不思議な人ナンバーワン!」



矢野『いや、そんなことないでしょ。笑』






また笑った



やっぱり矢野くんの笑顔はかわいい






矢野『ん?何??』



私「ううん、なんでもない!」






男はカワイイって言われても嬉しくないって

言ってたし言わないでおこう







矢野『え、気になる』



私「なんでもないってば〜!笑」



矢野『…………』



私「そんな怪しまないで〜笑」






じゃれあってる内に、あっという間に家に着いた







私「あ、うちここだから!」



矢野『本当に駅から近いんだね!』



私「だから送らなくて大丈夫って言ったじゃん〜」



矢野『いや、どっちにしろ送るつもりだったよ』



私「え、そうなの?」



矢野『当たり前でしょ』







どうしよう、、、


言葉のひとつひとつがかっこよく感じる…







矢野『じゃあ帰るね。今日は本当にありがとう』



私「私こそ今日はありがとう!一緒にミスチルのライブ行けて楽しかったよ!」



矢野『良かった。俺も楽しかった』



私「ま、またどこか行こうね?」






ちょっと声が裏返っちゃったけど


さりげなくぶっ込んでみた…






矢野『うん、行こう』



私「ほんと!?」



矢野『ほんとだよ。笑』



私「約束ね!」



矢野『うん、約束。じゃあまた学校でね』



私「うん!送ってくれてありがとう!気をつけて帰ってね!」



矢野『うん、じゃあおやすみ』



私「おやすみっ」







矢野くんの背中が見えなくなるまで玄関の前で

その後ろ姿を見つめる






どうしよう






ドキドキが止まらない…





どうしよう、、






小さくなっていくその後ろ姿ですらかっこいいと

思うなんて、、











私「……………どうしよう…」









小さく呟いた
















『どうしようって、何がー?』









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