第46話

少しずつ
648
2020/05/16 09:30



私「………矢野くん?」



矢野『…………うん?』



私「……いや、なんでもない…」





約束したクリスマスまであと少し


だけど


私と矢野くんの溝は深まるばかり





矢野『真野さんごめん、今日も塾寄って帰るから…』


私「うん、大丈夫!頑張ってね」


矢野『ありがとう、じゃあ、、気をつけて帰ってね』


私「うん」






ここ最近毎日このやり取りしてるな、、


たしかに入試はもうすぐなんだけど…




なんていうか、、、




私、矢野くんに避けられてるよね





このまま家に帰るのも嫌で、私は少し離れた駅の本屋に行くことにした。





矢野くんのクリスマスプレゼント、どうしよう…





男が喜ぶプレゼント、、





思わず手に取りその雑誌を読んでみる。






時計にキーケース、、






んー、そんなに高い物もあげられないしなぁ…






どうしたものかと雑誌をパタンと閉じると

本棚を挟んで反対側に聞き覚えのある声が聞こえた






『え〜行こうよ〜』


莉子『んー、ごめん、今はそういうのいいや…』







莉子ちゃん、、?







『そろそろ莉子も彼氏作った方が良いって!』


莉子『ん〜(苦笑)』







居心地の悪さから私は気付かれる前に

店を後にしようと踵を返したところで







『まだ年下彼のこと忘れられないの?』







矢野くんのこと、だよね







莉子『……ん〜どうかな(苦笑)』







莉子ちゃんはハッキリ答えなかった。






『この間ばったり会ったんでしょ?』



莉子『……うん』








え?






矢野くんと莉子ちゃん、、






会ってたの?






矢野くんそんなこと一言も、、、








『たしかにこっち戻ってきて一番に会いに行ったら他に彼女できてたとかショックだけどさ〜』






聞きたくない情報なのに、


その場から動けずにいる






『しかもその彼女がバイトで仲良くなった子とかまじドラマ作れるよね』



莉子『笑いごとじゃないからね…(苦笑)』



『まぁーでも莉子は知らなかったんでしょ?』



莉子『うん、知らなかった。それに今さら彼と戻れるとか思ってたなんて…都合良すぎるよね』



『そんなことないと思うけどな〜』



莉子『私このまま一生ひとりなのかな…』



『大袈裟!笑』



莉子『……あは!そうだね、ごめんごめん!笑』



『まったくもー!それに、24日は莉子の誕生日でしょ!みんなでパーッとお祝いするからさ!』



莉子『え〜いいよ〜』



『24日の18時に坂戸駅前のカラオケ集合だからね!』



莉子『…………んー、、』



『りーこ!!新しい彼見つけて、元彼のこと忘れようよ!』



莉子『………ん、そうだね…』



『よし!決まり〜♪』



莉子『…………』









莉子ちゃん、、



たぶん莉子ちゃんは今でも、、、



いや、たぶんじゃなくてきっと、、



今でも莉子ちゃんは矢野くんのことが好きなんだ





だとしたら、





これを聞かされて私はどうすればいいわけ?










本屋を後にし、家に帰る。







私は、どうしたら良いの?







ーーーーピンポーン





誰?





私「……いいや、出なくて」





居留守しよう






ーーーーピンポンピンポンピンポンピンポーン







私「…………はい!?(怒)」



コタ『なんだ、やっぱ居んじゃん』






モニターを見るとそこにはコタが立っていた






私「…………今気分悪いからごめん」







ーーーーーブツ、







ごめんコタ



でも今はもう何も考えたくない







ねぇ矢野くん?




莉子ちゃんに会ってから?




莉子ちゃんに会ってから、私を避けるようになったの?








もう分かんないよ








私「…………グスッ…………もう疲れた……」











ソファに横になると、私はすぐに深い眠りについた




プリ小説オーディオドラマ