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そう、友達は沢山いた。皆優しくて、学校に行って皆とお話したり、遊んだりすることが唯一の楽しみだった。
....でも、五年生くらいだったかな?
急に友達が私をはぶいて遊ぶようになってきた。
私は何か悪いことしちゃったかな?って思って謝ったの。そしたら...
『お母さんがあなたちゃんとは遊ぶなって言ってたの。だからあなたちゃんとは遊べないよ。』
って。
意味が分からなかった。
私は何も悪いことしてないはずなのに何で?って。
...でも理由はすぐに分かった。
授業参観の時だった。親は授業参観だけは来て、良い親アピールみたいなのしてて。
...親が話してるのが聞こえたの。私の友達の親に、
『いつも子供がお世話になってるみたいで。家にも上がらせて頂いてるんですよね?いつもいつもありがとうございます。...でも出来るだけあの子に近ずかせないで頂けます?あの子、お宅のお子さんが構って来るのが迷惑だって言ってたんですよ。...面と向かっては言いずらいみたいなので......』
私はそんなこと一言も言ってなかった。
でも、その話は親の中ですぐに広まって私の周りから友達が消えていった。
親になんでそんな事したのかって恐る恐る聞いてみた。
そしたら...あんたのお友達が可哀想でしょ?..って。
こんなゴミみたいなやつの友達は皆騙されてるだけだ...って。
...私は友達を作ってはいけなかったらしい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。