第4話

遠足
42
2021/02/19 09:07
時はさかのぼり...小学生の頃
たーちゃん「マユー!早く来いよー!置いてくぞー!」
マ「たーちゃん!待ってよー!」
今日は小学校の遠足
たーちゃんは体力があるから、どんどん登ってっちゃうよ〜...
でも、私はもう一歩も歩けない...
マ「もう、帰りたいよぉ...」
あ、ないちゃダメ...涙が...でちゃう
みんなに、メイワクかけちゃう...
たーちゃん「マユ!大丈夫か?
お前は本当にどんくさいなー!」
あ、たーちゃんにも笑われてる...
私...もうダメだ...
たーちゃん「ほら!俺がおんぶしてやるから、あとちょっとで、おやまのてっぺんだぞ!」
マ「ふえ?たーちゃん...?
おこってないの...?」
私はまだ泣きそうになりながら、
たーちゃんの顔を見ようと顔をあげる
たーちゃんは、笑っていた
バカにしてるような顔じゃなくて、ちゃんと私のことを心配してくれてる顔だ

たーちゃん「だって、俺はやく弁当食べたい!マユと一緒の弁当じゃないと美味しくない!だから、俺の背中に乗ってろ!一緒に弁当食べような!」
そう言ったたーちゃんの笑顔は、すっごくかっこよかった
ちょっとだけど、私の胸の辺りが少しドキドキした
あったかいドキドキだった
少し恥ずかしかったけどたーちゃんにおんぶしてもらって、お山を登った

そして、私たちは無事に山のてっぺんまで登りきった
先生にすごく心配されたけど、たーちゃんと食べたお弁当はどんな物よりも美味しかった
たーちゃん「俺さー、好きなやつがいるんだ!小さい時からずーっと好きなやつ!でもソイツなー、俺より弱いし俺より背も小さいんだ...
だから俺がおーきくなって、つよーい男になったら俺がソイツを守ってやるんだ!だから、俺の好きなやつをいじめようとする悪いやつは、俺がこの手でぶっ飛ばしてやるんだ!」
たーちゃんが、お弁当を食べ終わった時にそう言っていたのを今でも覚えている...

現在...
蛍「あー...ジメジメ嫌だな〜...
かったりぃ〜...おっ!そうだ!」
蛍は何かを思いつくと凄い形相でニヤニヤしながら、とある後輩のクラスへ向かった

ガラガラガラ!
蛍「おい、マユ!アイス買ってこい!もちろん、一袋に2本付きのあれな!」
マ「えー?良いですけど、なんで2本のやつなんですか?1本の棒アイスでいいのに...」
マユは、気だるげにしながら答えた

蛍「別に2本も1本も分ければ半分になるだろ!残りの1本はくれてやる
残りの1本は俺のだからな!」
というと蛍は500円玉を取り出した
マ「はい!買ってきまーす!」
マユは、そう言いながらお金を受け取ろうとする...が
蛍「今回は!俺が買ってきてやる...
丁度外でランニングしたかったんだ...
10秒で買って、5秒で戻ってきてやるぜ...」
と、相変わらずの謎のにやり顔をした後
すごい速さで購買の方まで行ってしまった...

マ「あはは...相変わらず先輩は足速いな〜...
でも、うたた寝してたら懐かしい夢見ちゃった...
蛍先輩...たーちゃんが、私の事をおぶってくれて、山を登った夢、あの時は先生にもその話を聞いたお母さんにも、凄く心配されたっけ...(´>∀<`)ゝ))エヘヘ
たーちゃん...あの時はありがとう( *´﹀`* )」
マユは、あの時の遠足を思い出しながら一人思い出に浸るのだった

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