私の能力?的なのが目覚めて1週間。
私は自分の部屋で 携帯とにらめっこをしている。
そうだっ、まゆの好きな人って誰なんだろ??
ぜーったい突き止めてやる( -∀-)
お母さんがドアから顔を出した。
そんなに買い忘れるかスンッ( ˙꒳˙ )
まー、いっか。気分転換に 外行ってこよ
( ¯ ³ ¯ )
準備を終え、私が玄関をくぐろうとすると
さくが息を荒くしながらやってきた。
なるほどー?
分かっているのになぜか、少し照れてしまう……━(´。・-・。`)
うーっ、凄い昔のさくみたい。
そういえば、さくが幼稚園の頃は結構な頻度で好きって言われてた気がする…。
数分後………
さくが急に足を止めた。
どうやら右側の道を見ているようだ。さくがいて見えないのでのぞき込む。
その道を歩いていたのは、まゆだった。
そして、見知らぬ男の子と一緒に歩いている。
だが、さくの言葉に一概にNOとは言い切れない。もしかしたら、私が気づいていないだけで、まゆには彼氏がいても不思議じゃない。
ん、待てよ?
あの後ろ姿、見覚えがある。
確か学年一イケメンと噂されている一ノ瀬海斗だ。
高身長で優しく顔もいい。運動部なのに色白でほとんどの女子が目を奪われてしまうモテキング!
あんなイケメンだったら、人生苦労しないんだろうなっ。
ということは、まゆが好きなのはあの一ノ瀬って人?
いけないいけない、ついボーッとしてしまった。
なんで私、と思ってさくを見た。
あーもう何かそういうことを面と向かって言われたことないからすごい照れるんだけど〜っ。
おっと、本来の目的を忘れてしまっていた。
さくはしぶしぶ頷く。
うーん、やっぱり遠くて会話が聞こえない。
2人はスタバに入っていく。
窓側に座ったので 向かいのロ〇ソンに入り立ち読みのフリをする。
さくが指さしたのはファッション誌だった。その表紙に まさに あの一ノ瀬が載っていた。
さくから雑誌を奪い取ると そこには衝撃の一言。
"カイトさんの今年の抱負を教えてください"
"そうですね、今年は学校の体育祭実行委員とか 部活とか スポーツ全般的に努力したいと思っています。"
え、これ確実にまゆの好きな人じゃん。
この記事の後にも つらつらと文書があったが、私は雑誌を閉じLINEを開いた。
まゆのLINEのアイコン……小さくすみっこにぼかしをかけて一ノ瀬海斗の写真。それも、後ろの壁紙で 開かないと見えない場所にあった。
rururururu
その時ポケットのスマホがなった。
ふっふっふ、まゆのやつめ 三度の飯より恋バナが好きなこの私に好きな人を秘密にしておくとは……。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!