どうもっ!!皆大好き樹くんだよ!!
今日は俺目線でいきます!
練習後、あなたちゃんはというと。
と、走ってっちゃったんだよね。
うーん、と、体育館入口から校門の方向を見ると、
確かに楓ちゃんが待っていた。
え、翔っちすご、なんで知ってるの?
眼、良すぎでしょ?(笑)
ガシッと肩を掴まれて、俺めっちゃびっくり。
翔っちから、話は聞いて。
驚きすぎて後ろにあるモップ全部倒しちゃった。
あの鷹っちが、あなたちゃんを…?
鷹っちは、告白される話はよく聞いたことあるけど、
恋するだなんて話、聞いたことなかった。
鷹っち、そんなに俺ら信用出来ないのかな…
あんなにずっといて、近くに居たのに、
相談すらしてくれないの?
俺、傷付いたなぁ。
多分翔っちも思ってる。
いつも頼れる翔っちが頼られなかった。
それは本人もきっと悲しく思ってる。
だから、失礼を承知で聞く。
そうじゃないと、鷹っち大変だもん。
いっつも愚痴聞いて、アドバイスしてくれて、
勉強も教えてくれて、助けてくれた。
だから今度は俺らが助ける番なんだ!
なんて、ちょっとクサイかな、(笑)
でも、ストレス溜まりっぱなしなんて、
絶対辛い。
鷹っちは、ベース弾いていると落ち着く、
って言ってたかな。
でも、本当に?
相談して、誰かに言うって、きっと、
一番心が軽くなると思う。
そう学校を後にした。
いつも通りの、普通の、会話をして。
いつもの別れ道が近付いてしまう。
翔っちが、少し立ち止まる。
簡単に、誤魔化されない様に。
わぁぁぁ、翔っちそれは単刀直入すぎない!?
だ、誰かぁぁ、大和っち連れてきてぇぇぇ
珍しく、少し悲しそうな鷹っち。
最低?
それは違う。
俺を助けてくれた鷹っちは、最低なんかじゃない。
言った、ちゃんと、本心。
あ、やっと。
本当に笑ってくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。