第101話

88話!
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2019/11/11 22:26
結局、女子のリレー選手は、


私と楓がじゃんけんで。


私は思いっきり負けたんで、リレ選に。



正直あの事思い出したら、


リレ選どころじゃねーよ…
真田 楓
真田 楓
どしたのあなた、
いつもよりぐでーっとしてるよ?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
あぁ、大丈夫大丈夫……
真田 楓
真田 楓
嘘つくなよ~。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
ほんとほんと、
昨日夜更かしすぎたかなぁー。
真田 楓
真田 楓
程々にしなよー?(笑)
紫夜 (you)
紫夜 (you)
分かってますよーー。

放課後。
部活に行くと、
貴里部長
貴里部長
お!あなたちゃん!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
貴里部長、こんちわ。
貴里部長
貴里部長
おう、もう皆アップ始めてるから、
いつも通り、よろしく!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
了解っす。
貴里部長は、いつでも笑顔、


例え試合中でも、相手がどれだけ強くても、


あの人の笑顔は絶えない。


歯を見せて、笑ってくれる。


だから、安心できるのかな。


あの人のいる試合は負けないし、


いつもより、皆が逞しく思える。
部員
うぉっ、紫夜危ない!
二年生の部員の声が聞こえて、


反射的に声の方向に向くと、


目の前に、バスケボールが迫っていた。
あぁ、この反応の速さなら叩き落とせばいいかな。
って、思ったけど。
碧未 翔
碧未 翔
よっと。
そのボールは、翔が両手でキャッチした。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
翔、サンキュ。
碧未 翔
碧未 翔
おー、気にすんな。(笑)
お、今のはちょっと、カッコ良かったな。
というところで案の定、


体育館入り口の女子倒れてますけどね。


大丈夫かな。うん。
碧未 翔
碧未 翔
うし!先輩、試合!
貴里部長
貴里部長
おー、そうだなー!
と、私が体育館倉庫に向かうと、
芹川 樹
芹川 樹
んっ?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
あ、樹。何してんの?
そこにいたのは、


何かを探すようにキョロキョロする樹。
芹川 樹
芹川 樹
あ!あなたちゃんなら分かるかな?
カラーコーンってどこ?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
カラーコーン??あるけど、なんで?
これから試合するって。
芹川 樹
芹川 樹
エッ!試合!?
マジか、行ってきます!
と、出ていこうとした瞬間、樹はピタッと、


走るのをやめて止まる。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
早く行っておいで?怒られるよ?
と、自分の口から出た言葉に、


自分でも少し驚いた。


つい、優しい言葉が出た。


あんなに樹のこと、変な目で見て、


冷たい言葉掛けてたのに、
これも、バンドと旅行のおかげ?
あ、違うかな。
樹がめげずに私に話し掛けてくれたからだ。
そう考えたら、樹はチャラそうに見えて、


案外優しいのかもしれないな。
芹川 樹
芹川 樹
何するの?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
電子得点板持ってくだけ。
芹川 樹
芹川 樹
手伝いまっす、どこにあんの?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
え、そこの棚、一番上。
てかいいよ!私はいいから!
芹川 樹
芹川 樹
よーくない、よっと。
樹は、棚の上から電子得点板を取り、
芹川 樹
芹川 樹
持ってくよ。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
えっ!ちょ、私の仕事!
芹川 樹
芹川 樹
あなたちゃんはコード持ってきて☆
と、笑う。


なんつーか、無邪気だよね。


純粋な、心から笑ってる笑顔だ。
まぁ、ちょっとなんか腹立つけど。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
ありがと、樹。
芹川 樹
芹川 樹
これっくらいどーってことないよ!
三鷹 雪
三鷹 雪
あ、いた樹…。…早くしろよ?
芹川 樹
芹川 樹
はーいっ!
樹は得点板を持って、ステージに置いた。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
ごめん樹、大して重くもないのに。
芹川 樹
芹川 樹
なぁに!
これくらいどーってことないよ!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
そっか、試合、頑張れ。
芹川 樹
芹川 樹
ありがとう!
と、全力の笑顔で手を振り、試合の方に行った。
さて、仕事しないとなぁ。

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