今、文化祭の、出し物を決めております。
え?ぐだくだ?…黙らっしゃい。
結局私たちが前に出て、
クラスの出し物を決めると言うことだったみたい。
皆、騒ぎながらもやっぱり良いものにしたいから、
色々と考えてるみたいで。
えっ!!大和が珍しく手を上げてる!?
────って声に出しそうで危なかった。
目線で殺されるよ、目で、死ぬ。
バッ、と唐突に顔を上げる翔。
謎の、男子ほぼ全員の歓声。
その後、最早何かの裁判のように話し合いが進み、
結局私達のクラスでの第一候補は、
『メイドカフェ』
それが駄目だったら『性別反転メイドカフェ』
という、中々リスキーな手に出たのだった。
今日の委員会で、全学級委員で決めるけど。
どうなることかねぇ…(笑)
あ、私が何故動揺しないかというと、
メイド服の方ではなく、
おそらく私厨房に回されると読んだから。
え、だって料理は任せろって。
メイド服よりエプロン着こなしてやんよ。
そして、委員会の後。
料理が出来ることを思い出したのか、
凄いショックを受けたような顔をする。
いや、そんなに?ん?てか頭おかしいは無視?
と、人差し指を口に当て、あざとく私に向け笑う。
実は雪だって面白い男子だって、
最近分かってきたから。
思わず無言の後笑いあって、
帰りにココアを奢ってもらえた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。