次の日、私は朝一番に簡単に荷物をまとめ、携帯は家に置いて…



家を出た。

もちろん向かったのは、


ドラケンの家。

マイキーの家はお邪魔になるかもしれないので諦めてドラケンの家に来たのだが、

何故か怒られている。

怪我の手当をしながらドラケンは少し声量を上げて喋りだした。

体を、売る……つまり、殴られるってことだよね？

その答えにまたドラケンはため息をつく。

意を決したように口を開くドラケン。

え？

んー…

……待って待って待って？？ってことは、ドラケンは…

有無を言わさず私はドラケンの背中に乗せられる。

これ以上ふざけるとドラケンが本気で怒りそうなのでやめておきます♡



ドラケンのバイクに乗り、マイキーの家までひとっ飛び。

家に入るとエマが出迎えてくれた。


まあ、私が怪我してドラケンに背負われてきたものだからすぐさまエマがマイキーを起こしに行く。

ごめんと言いながら私から離れるマイキー。

どうしてこうなった、と説明を求められ稀咲と半間にやられたこと。

その後、私が兄さんたちに酷いことを言ってしまい家を出たことを伝える。

ビクッと肩がはねる。


もう、灰谷が天竺側なのは知られてる……。

ドバっと滝のように涙が溢れ出す。


ドラケンは奇妙なものでも見たかのように驚いていた。

ズビッと鼻をすするとマイキーにはクシャッと頭を撫でられた。

あぁ、ダメだ……感情が追いついて無さすぎて、涙の止め方がわかんない。

なんだそれとか言いながらドラケンも私の頭を撫で始める。


ちょ、

あれ、私……何に悩んでたんだっけ。



……ま、今度でいいか

その日の夜。


私たちは3人で集会場所に向かった。

ドラケンの声にピシッと場が締まる。

私はと言うと前には立たず、近くの木によじ登っていた。


……マイキーたちは堂々と前にいたらいいって言ってたけど、兄貴が敵なら当然私をよく思わない奴もいる。

ちらっと下を見るとドラケンが状況を下に伝え始めている。

千冬とオキニくんが1歩前に出る。

……S62世代。

兄さんと同じ、極悪の世代の1人。

その声に外野もザワつく。

……今、ムーチョが動いたな。

ザワザワと隊員が私と兄貴2人の繋がりを揶揄し始める。

1人の隊員の声に全員がそちらに注目する。

マイキーがチラッとその子を見るとその子はまた声を張ってマイキーに呼びかけた。

そうだよな、確かに……なんて声が上がり始めた時、一瞬誰かが、

そう、言い放った。


……そろそろ私が証言した方がいいかな。

私はガンッと木の幹をぶん殴り葉を揺らす。

ぴょんっと飛び降り、こちらを向いた隊員を見る。

深深と頭を下げる。

そう言って笑うのは元1番隊の子たち。

その子たちは私に向けてニコッと笑顔を作った。

その言葉に、だいぶん前に言われた千冬の言葉を思い出す。


……この子らは、圭介に似てバカなのかなぁw

ニコッと笑うと、マイキーが声を張り上げた。