第5話

4話
3,310
2020/02/06 08:50
莉犬side 





『桃田 里美……ねぇ……』


誰もいない廊下を歩きながら、俺は、生徒の名前が書いてある名簿を見て、

1人の男子生徒の名前に目をとめた。


『この人が、俺を可愛いって言ってたのか……』


体育館で行われた新任教師による挨拶で、

緊張しすぎた俺を、可愛いって……馬鹿にしてるだろ……


『俺のどこが可愛いのやら…』


小さく誰にも聞こえないようにそう言う。




ドンッ




『あ、ごめんなさいっ!』



考え事をしながら、歩いていた俺は、前を見ずに歩いていたため、

ぶつかってしまった。


?『大丈夫ですか……?』



ぶつかった人が、俺に手を差し出す。


『あ……はいっ……/////』


綺麗な顔のその人は、俺に顔を近づけているから

俺の顔はどんどん赤みを増していく。



?『赤城……莉犬先生ですよね?』


『……俺の名前、知っているんですか?』


新任の俺でも名前覚えてくれるんだ……嬉しいなぁ……



?『俺、先生の生徒ですから』


……え?

『……じゃあ、君の名前は?』








里美『俺の名前は、桃田 里美です。』




……は?


この人が?


俺を……可愛いって?




『う、嘘……』


もっと、チャラいかと思ってた……

こんな人が言うなら、可愛いって、本当……って、そんな訳……ない



里美『こんなに可愛い先生だと、とても嬉しいです……』


『……か、可愛いくなんか……/////』


里美『そういうところですよ……』




チュ





『……ん?』


お、俺……今……




『ん゛ん゛ぅ…………!?』



な、なんで……



数秒後、柔らかい唇は、俺の唇から離れた。


里美『……っ……可愛いなぁ……』

『……っ……/////』



お、俺の……ファーストキスがぁ……







『つ、次したら……た、退学だからぁ……/////!!』



俺は、涙目になりながら走ってその場を去った。


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mano
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