第7話

6話
2,995
2020/02/25 06:50
七瀬side




『……しえるくん、ボーッとしてどうしたの?』


休み時間、教卓の椅子に座り、丸つけをしている俺の前に

しゃがんで肘をつき、顔を見つめるしえるくん


しえる『いやぁ、なーくんは綺麗やなぁって……』


ハァ……

また、しえるくんはこういうことを……

いつも女子たちに言っている台詞を俺に向かって言わなくても……


……からかってるの?


『教師をからかっちゃ、ダメですよ、しえるくん?』


俺がそう一声かけると、しえるくんは、悲しそうな声で、顔で


しえる『……脈なしかぁ……』

と言った


『……脈なし?』


俺が聞き返すと、眉を下げながら

まるでおねだりでもするかのような目で


しえる『俺さ、なーくんのこと、好きやで?』

と言った


『俺も……好きだよ……?』



しえる『そ、それは、弟みたいってことでっ……!』


小さい頃から友達で、大事な人とも言えるしえるくんは……


『だって……弟……でしょ?』


本当の弟みたいなしえるくんは、

兄弟がいない俺にとってかけがえのない存在だ


しえる『うぅ……脈なさすぎ……』


俺が発する言葉にダメージを受け続けるしえるくん


『……?』


理解出来ない俺

そんな俺を見て、

微かに優しく笑ったしえるくんは、


しえる『ま、そういうところも可愛いんやけどな……』


と言って頭を撫で、席に戻って行った

しえるくんの撫でられた部分に感触がまだ残る


撫でられた部分を自分の手で触る


『……しえるくん……大きくなったんだな……』


俺よりも小さかったはずのしえるくんは、

身長も、手も、大きくなった


大人に近づいているんだな


でも、小さい頃から見ている俺には、子供にしか見えなくて……


寂しく感じる




『しえるくんの気持ちには応えられないね……』

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投稿遅れてすみません……┏○┓
mano
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