第10話

9話
2,669
2020/03/17 01:05
七瀬side






しえるくんと出会ったのは、

俺が小学生になったばかりの頃だった。


しえる母『……仲良くしてくださいね』

しえる『………よろしく……』


隣の家に引っ越してきた保育園児のしえるくん

最初は、しえるくんは、人見知りで話すのも一苦労


『……紫崎 七瀬です、よろしくね!』

しえる『……ん……』


しえる母『…あ、ごめんなさい……この子、人見知りで……』

母『そうなんですね……七瀬、歳上なんだから守ってあげてね……゛弟 ゛みたいに』


『……弟……!』

しえる『……お兄ちゃん…か……』


それから、俺は毎日のようにしえるくんの家に遊びに行った、

初めて行った時は、追い返されたりしたけど、


しえるくんは、俺と話していくうちに、人見知りがなくなって、

誰とでも仲良くなれるようになった。



『……しえるくん、遊ぼう!』

しえる『なーくん……ごめん、今日、他のこと遊ぶ約束してて……』




『……そっか、』


それに伴って、俺は、置いて行かれていった。

友達を作るのが苦手だった俺は、しえるくんがいないと

一人になる


寂しい


そう感じることが何度もあった


俺は、しえるくんのことを毎日思っているうちに、

恋愛対象として好きなんじゃないかって、思った時期があった。


でも、゛弟 ゛だから


そう自分に言い聞かせて、俺は、自分を抑え込んだ


しえる『……なーくん、大好き!』

『……俺も好きだよ……!』


だから、この弟としての好きを守り抜くことしか

今の俺には出来なかった。

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mano
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